MRI検査で体内の炎症がわかる!

診断用機器

【はじめに】
MRIは磁気を利用して体内を撮影できる装置です。その撮影を重ねると体内の様子が立体的にわかり、病気やケガなど異常がないかを調べます。
体の表面の炎症なら目視ですぐ発見することができますが、MRI検査によって体内にある炎症も見つけることができます。
今回はそのことについて説明したいと思います。

【MRIのしくみ】

人(動物)の体内には水素原子核が存在しています。MRI装置で強い磁場を作ると周波数によって水素原子核が反応します。
MRI撮影をするとき、「T1強調画像」「T2強調画像」の2つを撮影します。
「T1強調画像」では脂肪組織は白く、水・液性成分・のう胞(液体がたまっているもの)が黒く見え、腫瘍がやや黒く見える特徴があります。
「T2強調画像」では脂肪組織・水・液性成分・のう胞が白く見え、腫瘍はやや白く見える特徴があります。
この2つの画像を見比べて体内の様子を観察します。

【炎症を捉えるMRI】

体内の様子を撮影するものにほかにレントゲンやCTがあります。レントゲンやCTは撮影時間が短く、素早く骨折などを見つけることに適しています。
一方、MRIは炎症を見つけるのに適していて、骨内部の炎症や筋肉の炎症、出血を見つけることができます。
骨折によっておきた骨まわりの筋肉の炎症はレントゲンでは見つけにくく、CTでも造影剤を使わないと判別が難しいのですが、MRIは造影剤を使わなくても炎症を発見することが可能です。

◎スポーツ障害にも
スポーツ障害は始め筋肉痛としてあまり注意していなくても、筋組織の部分断裂が酷く炎症を起こして痛みが激しくなります。慢性的な激しい痛みが続き、日常生活にも支障をきたすほどです。
そこでMRIで検査をして筋肉の炎症、損傷の状態を診断し回復に役立てます。

◎腰痛にも
腰の筋肉が炎症を起こすと腰痛になります。脊椎・脊髄に異常がなければレントゲン撮影で一般的な腰痛と診断されることが多いですが、脊椎・脊髄の異常による腰痛の場合、MRI検査を行って診断をします。

炎症は人体のどの組織・臓器でも起こり、そこからいろいろな症状や病気につながることがあります。外から見てわからない分MRIがその威力を発揮します。

【まとめ】

「この病気が疑われるからMRIを使おう」また「これにはCTやレントゲンを使おう」
などと病気別に検査方法が決まっているわけではありません。上記の病気や症状でもMRIを使わずにCTやレントゲンを使ったりもします。MRI・CT・レントゲンのそれぞれの良さを活かし、ケースや症状に合わせて診断しているのです。

ピックアップ記事

関連記事一覧