脳波計と電極の関係

生体現象測定記録・監視用機器

現在の脳波測定を行うのに必要なのが脳波計で、計測の場合は頭部に電極から発する微弱な電波に対して、その数値を測定してから診断を出すのが一般的な流れとなっています。今回は、脳波計に関する電極についてお話ししましょう。

脳波計はどうやって、頭からデータを出しているのか?

実際に測定を行う場合、頭脳となる部分からデータを出しているのでしょうか。お医者さんからすれば見た感じではすぐに出せるわけではないので、この場合は脳波計の出番といった具合に患者さんの頭部にセットして測定を開始します。基本的には高密度(アナログ)脳波計を使いますが、最近ではデジタル式の脳波計を導入している病院も見受けられるのが現状です。

基本的には技師がかかわりますので電極などの知識までも要求されるわけです。電極配置法、電極のタイプ、モンタージュやインピーダンス、それにフィルターといった様々な仕組みを理解している事によって、問題なく測定することや電極を装着できるわけですが、それらが理解していない場合は、直接の取り扱いは禁止されているわけです。

主な目的を述べるのならば、てんかんや意識障害などといった頭の調子がよくないと判断された場合で、電気信号が微弱な状態で読み取りますので、それを記録してから神経的にかかわる情報を収集できるのが特徴となっています。

電極について

脳波計を使って測定するとき、電極の動きが大きくかかわっているわけです。測定方法については患者さんの頭に電極をセットしてからスタートするわけですので、取り付ける場所に関しては必要な箇所のみ設定する機械もあれば全周型と呼ばれるホールヘッド型の脳波計までも登場しているため、どの部分に異常の有無を判断できるのか、脳から発生する電気信号を通じて測定できるわけです。なお、このタイプの電極については主にてんかんにおける診断に活用されています。

センサーネットタイプの電極については、ハイドロセル・ジオデシック・センサーネット電極(HCGSN電極)のものを使用しており、こちらも頭皮に装着してから測定します。材質はスポンジで形成されていますので、実際の測定はそれが膨らむわけで、電極は頭皮から脳波を伝達できる仕組みとなっていますので、効率よい測定が可能です。

測定の際の精度

実際に測定する際、精度は重要な位置づけとなっており、精度に関しては二種類のパターンが存在しているわけです。

①電極インピーダンス(電気回路の抵抗)
前述のセンサーネット方式の電極ですが、装着時間が短くて済み、測定が円滑に進められるほか、皮膚や髪の毛を汚すなどといったトラブルは一切ないのが特徴です。一般的な測定方法の一つとしても採用され、5~10KΩまで下げずに測定を行います。アンプにおける入力のインピーダンスを大きくし、性能が良くなった同相信号除去などにより、高精度の記録へと導くわけです。

電極とアンプ(脳波計本体)における脳波信号による減衰に影響しますが、ハムと呼ばれる交流障害及び静電誘導の影響を若干受けるものの、電極側の値がそろう時点で影響を低減できるのが特徴です。また、専用のアンプなどの使用をもって、電極リードはカバーに覆われるため静電誘導などの影響は最小限です。

②電極の数
測定する際に必要なのは原則的に21箇所ですが、両耳の部分を入れての測定数であり国際的なルールにのっとって電極をセットするようになっています。

まとめ

脳波計と電極の関係についてまとめましたが、頭にセットするのが後者であり、測定結果を出すのが前者の役割であり、装着するために必要な数も国際ルールが設定されているわけです。最近の測定では、正確な信号源推定を行うために電極を、顔面にまで装着するようになっています。

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