脳波計の使い方

生体現象測定記録・監視用機器

脳波検査は、患者さんに対して診断を行うための医療行為です。てんかん発作や睡眠障害等の診断、心理活動の研究でも使用されています。リアルタイムで脳活動状態をモニターする脳波検査はどのようなものを使用し、またどのように使われるのでしょうか。

脳波計使用方法

1. 装着部を決定します。
2. 装着面の汚れを取ります。
3. ペーストを塗ります。
4. 電極を装着します。
5. 電極を固定します。
6. 電極を入力ボックスに接続します。

脳波検査に使用する器具等

脳波検査には、30分~60分程の時間がかかります。静かな部屋で臨床検査技師の指示のもと、22個の皿電極を頭部に装着し音刺激・光刺激・過呼吸をした後、覚醒脳波を以下の器具を用いて記録します。

(皿)電極

脳波を記録するために、頭に配置します。

ペースト

電極を頭皮にしっかり固定・維持されるために使用します。ペーストは、電極糊とも呼ばれています。ピラミッド状に塗布します。すり込むように塗ります。

アルコール綿

検査での抵抗を減らすため、頭皮の脂肪や汚れを取り除くのに使用します。検査の際は、洗髪をし、整髪料をつけないよう協力をお願いしましょう。

電極装着のポイント2つ

電極装着には2つのポイントがあります。1つ目は、髪の流れに逆らわずにしっかりと綺麗にかきわけます。これにより髪が立ち上がって電極が浮いたり、電極が頭皮ではなく髪の毛に付いたりすることを防ぎます。

2つ目は、ペーストがはみ出るくらい圧着させます。ペーストの上に電極を乗せるだけでは雑音が入ります。頭皮にしっかり、くっつくようにすることが正確に計測するポイントになります。

電極装着方法

電極の装着は「10/20法」に従って配置します。10/20法は、標準の電極装着法です。頭の大きさに関係なくほぼ一定の部位に電極が配置できまた、各電極の間の距離がほぼ等しく大脳の全領域をカバーする等のメリットがあります。

また計測によって電極の位置を定めているので何度検査をしても、あるいは検査をする者が代わっても、必ず同一の場所に装着することができます。客観性が高く、位置に関して再現性のある導出結果を得ることができます。

電極装着はまずCz(vertex)を求めます。Czは10/20法の中央部に位置する点で頭蓋頂とも呼ばれます。鼻根と後頭結節の間、および左右耳介前点の間を10%・20%・20%・20%・20%・10%に分割し、電極を配置します。

使用上の基本的注意

1. 傷・炎症のある部分には電極を装着しない
2. 電極リードのコネクタを指定の入力ボタン以外に接続しない。(本来の性能や機能が損なわれるだけでなく、重大な事故を引き起こす可能性があります。)
3. 刺激用電極として使用しない
4. 入力ボックスから電極を抜くときは、電極のリードを引っ張らず、コネクタ部を持って外す。
5. 廃棄する場合は、医療廃棄物として院内で定められた手順で処理する。

まとめ

脳波計は、脳の活動状態をモニタリングすることができます。脳波検査は、てんかんの診断・病型判定・けいれんや意識障害の評価、器質性脳障害や睡眠異常の診断に用いられています。

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