血圧計の寿命(耐用年数)と法定耐用年数

生体現象測定記録・監視用機器

医療機関においては、問診の始めにおこなわれる血圧測定ですが、その測定値が正確でなければ後におこなわれる診療にも影響が出てしまいます。今回は、血圧計の法定耐用年数と寿命(耐用年数)についてご説明しましょう。

血圧計の寿命(耐用年数)

血圧計の寿命(耐用年数)は、各メーカーによって違いがあり、保証書に記載されていることが多いです。耐用年数が5年と記載されていても、使用回数が3万回、ということであれば、3年使用して3万回を超えるようであれば、寿命となることがあります。

また、自動加圧式の血圧計を乾電池で使っている場合、電池が消耗してきますと、液晶を表示させる電力はあっても、加圧用ポンプを動かす電力が不足してきます。電池残量マークを見て、残り少ない場合は、全ての電池を交換する必要があります。

血圧計の部品である「圧迫帯」や「ゴムチューブ」にも寿命があり、これらの部位は使用回数にもよりますが、3~4年で寿命がきてしまう部位となります。

血圧計の法定耐用年数

医療機器は減価償却できるものが限定されており、物品ごとに法定耐用年数も決まっています。一般的には耐用年数が長いほど税金面では有利とされていますが、血圧計は、「医療機器」の「その他」に分類され、国税庁が公表している減価償却資産としての血圧計の法定耐用年数は5年とされています。

ちなみに、経理処理では「消耗品」として計上されるのですが、血圧計のほとんどが10万円以下で購入することができるため、減価償却する必要がないのがほとんどです。そのため、10万円を超える血圧計に関しては、地域の税務課へ確認をしておくことをおすすめします。

血圧計の保管方法

血圧計は電子機器です。保管する際には下記の注意が必要です。

〇水濡れに注意し、日光および高温多湿を避けて保管すること。

〇振動、塵埃、腐食性ガス等の多い場所に保管しないこと。

〇気圧、温度、湿度、風通し、日光、ほこり、塩分、イオウ分 を含んだ空気等により悪影響の生じる可能性のある場所に保管しないこと。

〇化学薬品の保管場所やガスの発生する場所に保管しないこと。

〇長時間使用しない場合、ACアダプタをコンセントから抜くこと。また、電池を使用している場合、電池を外しておくこと。(電池が液漏れし、故障の原因となる。ACアダプタの 絶縁劣化により感電や漏電火災の可能性がある。)

〇測定部にACアダプタ等の重いものを置かないこと。(内蔵 マイクの破損により、故障の原因となる。)

まとめ

正しく血圧計を管理・保管することで、血圧計の耐用年数も維持できます。血圧計は医療機器でも使用頻度の高い機器となりますので、耐用年数も確認し、正確な状態を保つよう心掛けたいものです。

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