MRIの撮影時間は、どれぐらいかかるのか?

生体現象測定記録・監視用機器

ほとんどの場合、MRIによる検査はCT検査よりも時間がかかります。今回は、MRIの撮影時間はどれぐらいかかるのか?また、時間がかかる理由とは何かについて、見ていきましょう。

MRIの仕組み

そもそも、MRIは強い「磁場」と「ラジオ波」の作用によって、人の体を構成している「水分(水素原子)」の情報を画像化します。装置にはコイルが巻きつけてあり、「電流」を流すことで 「磁場」と「磁力」が発生します。

時間がかかる理由

人の体は70%が水分で構成されているため、その水分から情報を読み取りその情報を何度も重ね合わせて画像化しています。その情報は、膨大なためとても時間がかかるのです。さらに、撮影する部分によって条件や方向を変えて何種類も撮影する必要があります。精度の高い画像を撮影するためには、時間がかかるのはこういう理由からと言えるでしょう。ちなみに、独特な音の理由は磁力が発生した際に、装置のコイルを伸ばしたり縮めたりするときに振動するため、その振動が大きな音となります。

部位ごとの時間

ざっくりと時間を書いていきます。

〇「脊髄」
 検査時間は約40分です。
 造影剤を静脈注射する場合があります。検査台に横になり安静にします。

〇「頭部・頚部」
 検査時間は約10分~30分です。
 造影剤を静脈注射する場合があります。検査台に横になり安静にします。

〇「腹部」
 検査時間は約40分~60分です。
 造影剤を静脈注射したり、経口造影剤を服用する場合があります。検査台に横になり安静 にします。呼吸を20秒ほど止める必要があります(数回)

〇「骨盤」
 検査時間は約40分~60分です。
 造影剤を静脈注射する場合があります。また、スボラミン(グルカゴン)を使用する場合 があります。

〇「上肢・下肢」
 検査時間は約40分~60分です。
 造影剤を静脈注射する場合があります。手足をしっかり固定します。

※検査の時間は、あくまで目安です。部位や状況によって変わってきます。

まとめ

MRIは音も大きく検査時間も長くかかりますが、X線撮影やCTなどとは違い、空気や骨の影響を受けにくく神経や脊髄、筋肉や脳などの軟部組織の詳細に診断することに適しています。また、放射線の影響を受けないこともメリットの一つです。撮影時には、ヘッドホンやアイマスクなどを使用することも多いようです。子どもの場合には、事前に親が説明をしマンガや絵などでイメージを持たせることが大事です。それでも怖がったり、動いてしまう場合は 軽い睡眠導入剤を使用することもあるようです。音と時間、仕方がないとはいえ大人でも厳しいですが、子どもはとても大変ですね。

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