人工乳房とは?乳房再建術や人工乳房と乳房再建の違いを解説

人工乳房とは、乳がんの治療後に失った乳房を人工物で再建する乳房再建法です。
乳房の膨らみを再現するため、皮膚の下にシリコン製のインプラントを埋め込みます。
安全性の高いものや感触も自然なものなどが多いため、近年では安心して使用できるものも少なくありません。
そこで、人工乳房について、乳房再建術や乳房再建との違いを解説します。
乳房再建術とは
乳房再建術とは、乳がんの治療で乳房切除術(乳房全摘出術)を受けた患者に、失われた乳房の形態を再構築する外科的手術です。
身体的な外見だけでなく、乳房を失ったという心理的なダメージも回復でき、満足感や自己イメージ向上にも大きな役割を担います。
乳房再建術の種類は以下の2つで、患者の状況や希望に応じての選択が必要です。
・インプラント…シリコンまたは生理食塩水を充填した人工乳房(インプラント)を胸部に挿入し、乳房を形成する。手術時間も短縮されるため、手術負担を比較的抑えられる再建方法。
・自家組織…患者の皮膚・脂肪・筋肉などの組織を採取した自家組織による再構築。
人工乳房とは
人工乳房とは、乳がんの手術などで乳房を失った方が使う人工的な疑似乳房です。
ケガ・事故・先天性疾患などで、身体の欠損部分を補うエピテーゼの一種ですが、人工乳房は主にシリコンでできています。
皮膚に貼り付けて使う人工乳房は、専用の接着剤を使用する場合もあれば、粘着シリコンを使うケースもあり、付ける手段は異なります。
治療により、敏感になった皮膚へ直接貼り付けるため、使用する素材によってアレルギー反応を起こすリスクも踏まえた選択が重要です。
人工乳房の役割
人工乳房は、身体の欠損部を補うエピテーゼの一種です。
乳がんの手術で失った乳房を再現するために行いますが、胸の膨らみや重さの左右差を補うことにより、バランスを保ち下着の違和感もなくなります。
特にオーダーメイドなら、個人差を含めた細部までの再現が可能となるため、より安心感を高められます。
人工乳房と乳房再建の違い
乳房再建は、インプラントや自家組織を移植し、切除した乳房を再建する外科手術です。
埋め込むシリコン製のインプラントを人工乳房と呼ぶこともありますが、胸に貼り付けるタイプとは異なります。
肌の上から貼り付ける人工乳房は、手術は不要であるため身体への負担はなく、気軽に着脱もできます。