臓器・組織の機能を代行する医療機器「人工臓器」とは?

治療用機器

「人工臓器」は、生体臓器や組織の機能の一部または全部を、一時的もしくは半永久的に代行する人工装置です。

人の体は様々な臓器で形成されていますが、心臓・肺・肝臓・腎臓などの内臓の機能に問題があれば命の危機にさらされることもあります。

問題がある臓器が本来行う役割を代行するために開発された医療機器が人工臓器であり、治療を通じて機能を補助しています。

人工臓器の種類

広く知られている人工臓器の種類は以下の8つです。

・人工肺

・人工心臓

・人工肝臓

・人工腎臓

・人工膵臓

・人工骨

・眼内レンズ

・人工内耳

それぞれの特徴を説明していきます。

 

人工肺

「人工肺」とは、生体肺機能の一部を一時的に代行することを目的として使用されています。

生体肺機能には血液に酸素を付与し、二酸化炭素を取り除くことが挙げられますが、他にもいろいろな機能があります。

ただし人工肺は心臓手術のときにガス交換のみを行う目的で使用されているようです。

人工心臓

「人工心臓」とは、心臓本来が持つ血液を循環するポンプ機能を機械的に代行させ、全身に血液を送り出すことを目的に使用されます。

人工肝臓

「人工肝臓」とは、500種類以上の代謝反応を行う肝臓の機能を、人工的な装置でカバーするために使用されます。

ただし完全にカバーすることは困難であるため、生体の肝細胞の利用と人工装置の組み合わせであるハイブリッド型の人工肝臓が主流となっています。

人工腎臓

「人工腎臓」は透析療法で使用されます。

透析療法は腎臓に代わって血液をきれいにする治療法ですが、血液透析と腹膜透析に分類されます。

血液ポンプで連続して血液を体外に取り出し、人工腎臓に通して血液中の老廃物を除去し、きれいな状態の血液を体内に戻す仕組みです。

人工膵臓

「人工膵臓」は、膵臓の機能のうち、特に内分泌機能の代替を自律して行う装置です。

人工骨

「人工骨」とは、腫瘍や外傷などで欠損した骨の再建・再生治療に使われる骨補填材の1つです。

眼内レンズ

「眼内レンズ」は、白内障の治療で濁った水晶体を摘出した後、合わなくなったピントを合わせるために使用されます。

水晶体の中身だけを取り除き、残したカプセル状の水晶体嚢の中に眼内レンズを入れて固定します。

人工内耳

「人工内耳」とは、耳の機能を担う人工臓器であり、補聴器を使っても音を十分聞き取ることができない重度難聴者に用いられます。

音の振動を電気信号に切り替え、内耳の役割を代用する機器であり、音を増幅し内耳に伝える補聴器と違った特性があります。

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