医療機器物流とは?特徴や現在抱えている課題を簡単に紹介

生体現象測定記録・監視用機器

医療機器物流とは、医療機器を安全・適正に医療現場へ届けるために行う物流管理です。

単に医療機器を輸送するのではなく、温度管理・滅菌保持・追跡などにより、品質や安全性を担保することを重視した物流といえます。

安全かつ適切に医療機器を届けるための物流の一連の流れであり、高度化・多様化する医療機器や現場のニーズに応じた役割を担います。

そこで、医療機器物流について、現在抱えている課題を簡単に紹介します。

 

医療機器物流の特徴

医療機器物流では、単に医療機器を運ぶ物流ではなく、人の生命や健康に直結する役割を担うための法規制や品質管理を厳格に遵守することが求められます。

そのため、主に以下の特徴があるといえるでしょう。

・厳密な取り扱いが必要

・追跡できる体制が必須

・多品種少量配送が基本

 

厳密な取り扱いが必要

医療機器物流の特徴として、厳密な取り扱いが必要であることが挙げられます。

体内に埋め込むペースメーカーなどから、使い捨ての注射器や手術器具まで、医療機器は幅広く存在します。

不具合があれば重大事故につながる恐れがあるため、物流段階においても温度・湿度などの管理や、破損を防ぐなどの厳密な扱いが求められます。

 

追跡できる体制が必須

医療機器物流の特徴として、追跡できる体制が必須であることが挙げられます。

ロット番号やシリアル番号を基にして、どこからどこへ製品が流れたのか、追跡できる体制が必要となります。

不具合が起こったときには迅速に回収できるような情報管理システムの導入を進めているようです。

 

多品種少量配送が基本

医療機器物流の特徴として、多品種少量配送が基本であることが挙げられます。

いろいろな機器が少量ずつ必要となるため、在庫管理と配送体制を効率的に整備することが必要です。

 

医療機器物流の課題

医療機器物流の課題として、以下が挙げられます。

・サプライチェーンの複雑化

・コストの負担増加

・デジタル標準化が不十分

・緊急時対応の強化が必須

 

サプライチェーンの複雑化

医療機器物流の課題は、サプライチェーンが複雑であることです。

海外製品も多いため、輸入から国内配送までの経路の複雑化は避けられないため、国際基準に準じた物流管理を徹底することが必要といえます。

 

コストの負担増加

医療機器物流の課題は、コスト負担が増えることです。

温度や湿度の管理に24時間配送、専用倉庫などの高度な物流体制が必要であるため、コストは高くなりがちです。

 

デジタル標準化が不十分

医療機器物流の課題は、デジタル標準化が不十分であることです。

リアルタイムの在庫情報を共有することや、電子タグ(RFID)で管理を行うなど、デジタル化導入を進めてることが不可欠となります。

 

緊急時対応の強化が必須

医療機器物流の課題は、緊急時対応の強化が必須であることです。

災害やパンデミックなどが発生したときは、医療機器を安定供給できる体制を強化することが必要になります。

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