脳波計のサンプリング周波数とは

診断用機器

【はじめに】
最近ではさまざまな分野でデジタル化が進んでいますよね。
会議での資料のペーパーレスだったり、資料やデータをUSBメモリなどに記録したりといった具合にいたるところでデジタル化が進んでいます。
もちろん、それは医療の現場でも同じことです。検査記録の保管場所を確保するなどの理由から医療機器もデジタル化しています。
そこで今回はデジタル脳波計について紹介します。

【デジタル脳波計ってどんなもの?】

脳波信号をデジタル化して処理し、測定データをハードディスクや光磁気ディスク、CD-R、DVD-RAMなどに保存できるようになったのがデジタル脳波計です。
このことにより紙に記録をしていたときよりも大幅に保管場所を縮小でき、コストの削減につながっています。
日本国内で流通しているデジタル脳波計の多くは、紙に記録もできるようになっているアナログ式とのハイブリッドなものになっています。
従来のアナログ脳波計との見た目の違いはほとんどありませんが、脳波を測定したあとに必要な部分だけをモンタージュやフィルタ条件を変更して何度も記録し直すことが可能です。
完全なペーパーレスタイプのデジタル脳波計だと波形の記録が必要になったときは、必要な部分だけを印刷します。

【サンプリング周波数って何?】

脳波信号のようなアナログ信号をサンプリング(標本化)してデジタル信号に変換します。
このアナログ信号をデジタル信号に変換するときに1秒間に何回データをサンプリングするかを示したものをサンプリング周波数といい、単位はHz(ヘルツ)になります。

例えば、サンプリング周波数が44.1kHzだった場合、アナログ信号を1秒間に4万4100個に分割し、4万4100個のデータに変換することを意味します。
サンプリング周波数は高ければ高いほど高品質になります。ですが、それと比例するようにデータ容量も増えていきます。その点を考慮してサンプリング周波数を決める必要があります。
また、脳波計は容量の問題とは別に適切なサンプリング周波数を選択しないと正確なデータが得られないので注意してください。

【まとめ】

デジタル脳波計について紹介してきましたが、いかがでしたか。
アナログ脳波計になれていると、いまいち使いづらかったりするかもしれません。
また、ハイブリッドな脳波計の記録方法をアナログ式に設定するとデジタル脳波計ではなくなると勘違いしている人もいるかもしれません。しかし、そんなことはなくデジタルはデジタルのままです。
たとえどんなに使いづらかったり、勘違いをしてしまったりしても技術の進歩を止めることは誰にもできませんし、その進歩によって医療も進化していくのでしょう。
ですから、機器の仕組みや性能をよく理解し、使いこなしていく必要があります。

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