デジタル脳波計の仕組みについて

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
現代では様々な機器がアナログからデジタルに移り変わっています。分かりやすい例でいえば時計がそうでしょう。時間を確認するためには多くの人がスマートフォンの画面に表示されるようなデジタル時計を使っているはずです。
こういった流れは医療機器も例外ではありません。その中でも脳波計はアナログが主流だったものからデジタルへとその座が取って変わられています。
そこで今回は、デジタル脳波計の仕組みについて簡単にですが、説明させていただきます。

【デジタル脳波計の仕組み】

まずデジタル脳波計の仕組みを説明する前に、大まかな構造を紹介しておきましょう。
デジタル脳波計は大きく分けると、電極ボックスと脳波計本体の二つの部分で構成されています。電極ボックスは被験者に取り付けた電極やその他センサーを接続する部分になります。
仕組みとしては電極ボックス内で電極から受け取った信号を増幅しデジタル信号に変換したあと、脳波計本体へ送るといった形です。信号が送り込まれた脳波計本体では、ソフトウェアによってモンタージュの変更や感度切り替えなどの必要な処理が行われます。
脳波計本体は、パソコンユニットとメインユニット、ディスプレイで主に構成され、一見するとパソコンのみで成り立っているように見えます。

【医療分野以外での脳波計】

最近では製品開発やスポーツなど医療以外の分野でも脳波計が活用されています。
ですが、先程説明したデジタル脳波計は操作が複雑で専門的な知識が必要となり、簡易的に扱うことができません。
そこで医療以外の分野でも脳波のデータを活かすために、専門的な知識がなくても扱える脳波計が開発されています。
このような製品の中には検査結果の数値やグラフが分かりやすくなっているだけでなく、コメントもついてくるので誰でも理解しやすく作られているものがあります。
また、市販されている表計算ソフトでデータが処理できる仕組みになっている製品もあります。

【まとめ】

デジタル信号を処理する仕組みになっているデジタル脳波計は、あとでデータを操作できます。そのため検査では脳波のデータを記録して終わるだけになることが多いです。
ですから、てんかんなどの異常を持っている人への対処がおろそかになりがちです。
また、デジタル脳波計はアナログ脳波計にはないSD法やシステムリファレンスなどの機能や用語があります。
これらのことを考えると、デジタル脳波計を正しく使用し最大限能力を活かすには、その仕組みだけでなく機能や用語の意味などを十分に理解する必要があります。それを念頭に置いてデジタル脳波計について学習していくといいでしょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧