妊婦さんと血圧計測

生体現象測定記録・監視用機器

はじめに

日々の健康管理に欠かせない血圧計。
自宅で簡単に測れる血圧計も広く普及し、今では外出先でも計測できるポータブルタイプもあります。
そんな身近な血圧測定ですが、実は妊娠すると血圧が変化するのをご存知でしょうか?
妊婦さんにとって、自分の体はもちろんのこと、胎児の健康のためにもこの血圧変化に対する知識を身に着けることは大変重要なことです。
今回は妊婦とその血圧について紹介していきます。

妊娠すると血圧はどうなる?

血圧は心臓から送られた血液が血管の壁部分を押す圧力のことです。
血圧には値があり、女性は妊娠することによって血圧の値が変化しやすくなる特徴があります。
これまで血圧検査で異常がなかった人であっても、子供を授かることによって高血圧になったり低血圧になったりします。
妊娠中の女性は女性ホルモンが増加するのですが、女性ホルモンは血管を広げる効果があります。そのため初期から中期までの間は低血圧になりやすく、出産が近づくにつれて血圧がゆっくりと上昇し、妊娠以前の値に戻ります。
さらに考えられる血圧変化は検査のときに起こります。
妊娠後期になると胎児もかなり重くなってきます。そのためこの時期の検査で、仰向け方向に寝ると骨盤部分の血管が圧迫されて血液の流れが悪くなって低血圧になりやすくなります。

気を付けたい妊婦の高血圧

妊婦さんが高血圧になることを「妊娠高血圧症候群」と呼びます。
この病気は20人に1人が発症しますが、詳しい原因はわかっていません。
妊娠34週未満で発症する早発型の人は、重症化する危険性があるので注意が必要です。症状が重くなることによって妊婦さんは血圧が上昇し、蛋白尿やけいれん、脳出血、肝臓・腎臓の機能障害などを引き起こす危険があります。
この病気は、母体だけでなく、お腹の赤ちゃんにも影響を与えてしまいます。胎児発育不全や最悪、流産や死産の危険性があります。妊娠中は血圧の値を常に気をつけなければいけません。
この病気は、糖尿病の方や元々血圧が高い人、腎臓の病気を持っている人や40歳を超えて妊娠した人、以前発症したことがある人が発症しやすい病気です。
病気の治療法は、入院し、安静にしながらけいれんや高血圧を予防するための投薬治療を行うのが一般的です。
注意点として降圧剤は決して自分の判断で使用しないでください。ただでさえもデリケートな妊娠期に、降圧剤のような劇薬を使うことはタブーです。
投薬は医師の慎重な判断と観察があってこその対応になります。

まとめ

妊娠した女性の血圧変化の特徴や妊娠高血圧症候群の危険性を紹介しました。
妊娠高血圧症候群は妊婦さんとお腹の赤ちゃんに悪影響を与える病気です。病気になる可能性が高い方は、早めに医師に相談をし、適切な治療を受ける必要があります。

ピックアップ記事

関連記事一覧