レーザーメスの出力によっての違いとは

生体現象測定記録・監視用機器

レーザーメスは、医療の分野で様々な形で使用されています。ドラマの手術シーンなどでよく見られますが、レーザーメスの種類やその出力の大きさなどによって使途が違ってきます。出力によってどのような使い方をされるのか見ていきましょう。

高出力と低出力

医学的にいうとレーザーは、強弱によって違う生物学的効果のメカニズムがあるため様々な目的や手法が存在します。では、「高出力レーザー」と「低出力レーザー」とはどう違うのでしょうか。

〇「高出力レーザー」とは
生体組織に照射した結果、組織に修復できない損傷が生じた場合に照射表面におけるレーザーの事です。主に、「手術療法」などで患部組織の切除・蒸散・凝固などに使用されます。

〇「低出力レーザー」とは
主に、「非手術療法」で弱いレーザーを患部にあてたり、光ファイバーを挿入し組織を破壊せずに血管内にあてることによって血液の循環を良くしたり、免疫力をあげるなどの効果を引き出すものとして使用されます。

一般的な種類と出力

医療で使用される一般的なレーザー装置の種類と出力や用途などを書いていきましょう。

「炭酸ガスレーザー」

医療で使用される気体レーザーの中でも代表的なものとして挙げられます。熱圧力の効果によって組織内の水分を揮発させて切除します。

〇出力=高い(大きい)
〇使用される分野:「シミ・血管腫・皮膚がん・胃の切除・心臓・心血管手術・口腔」など

「半導体レーザー」

高いレーザーメスを使用した場合は、切除手術に使用されます。低出力のレーザーを人間の組織に照射すると血液循環がよくなるなど、活性細胞の促進などに効果があります。

〇出力=高い(大きい)
〇使用される分野
「高出力の場合:前立腺切除・肝葉切除など」
「低出力の場合:皮膚炎の治療・鎮痛・傷口の癒合など」

「ネオジウム・ヤグ(Nd:YAG)レーザー」

「組織内部浸透型」レーザーで赤外線レーザー吸収体として、ヘモグロビン・タンパク質・メラニン色素などに良く吸収されますが、水分は吸収が少ないため組織破壊を抑制する治療に応用されています。

〇出力=高出力から低出力まであり やや高い(大きい)
〇使用される分野:「消化器内視鏡下での止血・口腔外科手術」など

「ホロミウム・ヤグ(Ho:YAG)レーザー」

「ネオジウム・ヤグ(Nd:YAG)レーザー」と「炭酸ガスレーザー」の中間で、生体の光侵達度が低いため深さのコントロールがしやすいです。軟組織にも硬組織にも作用します。

〇使用される分野:「泌尿器科の内視鏡下での手術」など

まとめ

レーザーメスの種類と出力について書いてきました。レーザーメスによって、出力に違いがありその用途もかわることがお分かり頂けたと思います。また、出力の高さと低さに関しては、切り替えができるものや高いものと低いもので個別になっているものもあります。

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