レーザーメスの特徴と利点

生体現象測定記録・監視用機器

医療用のレーザーメスというと、みなさんどのようなイメージをお持ちでしょうか?
直接患部に当てて切開するものとしては、外科用メスや電気メスがあります。レーザーメスはそれとは異なり、媒質に光を当ててそれを増幅させて、患部の検査や治療などに用いる医療用装置です。

この記事では、現代医療に大きく用いられているレーザーメスの特徴・利点などについて、ご紹介していきたいと思います。

レーザーメスの特徴について

レーザーメスには大きく分けて3つの特徴があります。

〇単一色
太陽の光などの自然光や、部屋を照らす電気などはいくつかの光の集まりですが、レーザー光の光は単一(一色)です。

〇波長が同一
レーザー光が一つの光からできているので、空間を流れる光の波(波長)も、周期的に同一の波の振り幅となります。

〇一方向に向かう
太陽の光をカメラで撮ると、光が放射線状に分散していることが見て取れます。しかし、レーザー光は一方向に向けて光のエネルギーを照射します。

どんな利点があるか

レーザー光は、よくレーザー光線という言い方で表現されます。それは一つの光、一つ方向に同じ周期で目的の部位にまっすぐエネルギーを当てるという原理に基づくものだからです。

医療用装置としてのレーザーメスはこの特徴を活かして、正常な組織に影響を与えずに、目的の部位にのみ治療や検査を行うことが可能です。

パルス幅について

パルス幅とは、レーザー光を患部に照射する時間のことをいい、時間の短い順に「Qスイッチレーザー」「ノーマルレーザー」「ロングパルスレーザー」があります。ここではQスイッチレーザーと、ロングパルスレーザーを見て行きましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチは、レーザーメス(装置)に付加された機能です。これにより、なんとレーザー光の照射時間を10億分の1秒単位でコントロールできるものです。照射時間の短縮化によって、アザ・色素沈着を効果的に取り除くことができ、かつ周辺組織への影響を極力抑えることができます。

ロングパルス

これはレーザー光線の照射時間を長くするもので、美容外科治療でいえば脱毛治療に効果を発揮します。毛の再生や発育に関わる毛包周囲組織に、ロングパルスレーザーを数回照射することが必要です。

まとめ

レーザーメスはがんの治療をはじめ、眼科・美容外科・獣医科など幅広く用いられています。レーザーメスの登場によって、患者さんの体の負担が少ない切開・切除・煮沸などが行えるようになりました。さらに医学の進歩とともに、レーザーメスの研究・開発がすすみ、あらゆる病の治療や検査に効果的に用いられていくことを期待します。

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