MRIのランニングコスト

診断用機器

MRIとは核磁気共鳴画像法のことであり、CT検査と違いX線の照射をせずとも体内の断面図を連続して撮影することができます。しかし、その一方で非常に高額なランニングコストがついて回ります。病院経営を真剣に考えていくうえで、コスト管理は非常に重要な問題といえます。MRIを導入するうえで必要な予算(イニシャルコスト)と維持費(ランニングコスト)について考えていきたいと思います。

MRIの保守料と有用性

レントゲンの保守費は年間20万、CTは年間200万、MRIは年間500万~600万円もかかります。

レントゲンは設備を設置する場所も小さな部屋で済むので、個人のクリニックでも導入が容易です。CTの年間維持費はMRIの三分の一ですが、放射線科の読影なしで行うには誤った判断をしてしまうリスクを伴うため、クリニックで導入するのは維持費以上に敷居が高いです。

MRIは場所も維持費もかかりますが、他には出来ない非常に精密な検査を行うことができますので、フルメンテナンスの契約で購入することをお勧めします。

企業努力によるMRIのランニングコスト削減

MRIを導入するにはイニシャルコストが億単位でかかります。撮影料・診断料・管理料といった多くの管理報酬がありますが、MRIで採算をとるためには1日で10人以上検査しなければなりません。MRIの検査はCTと比べて時間がかかるため、光熱費のコストも要検討しなければなりません。

しかし、MRI技術が成熟されるにつれ、省エネルギー化が進んできており、3割近く電力消費をカットした製品も登場してきています。MRIはイニシャルコスト・ランニングコスト共に高額なものでしたが、高コストなヘリウム消費量のカットや消費電力の削減といった企業努力により、より手が届きやすい臨床診断機器となりつつあります。

オープンMRI

オープンMRIは従来のMRIと違いトンネル型の検査機器ではないことです。そのため、輸送と設置に関するコストを削減することができ、閉所恐怖症の方も安心して検査を受けることができます。

そして、MRIの最高磁力強度が1.5T(テスラ)または3.0Tなのに対し、オープン型は0.3Tで設定されています。磁力強度が高いほうが細部まで検査できますが、オープン型も十分な効果が期待でき、パワーセーブされることでランニングコストも抑えることが可能になります。さらにコンパクト化されることで、広い部屋を用意する資金も必要なくなりました。

まとめ

MRIは被爆の心配がなく、子供や妊婦の方も安心して利用することができ、鮮明な画像を撮影することができます。日々MRIの技術は進化しており、費用面での問題は解決傾向にあります。イニシャルコスト・ランニングコスト・設置スペースでお困りの方は、是非検討してみてはいかがでしょうか?

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