脳波計の標準感度 ~その調整と重要性~

生体現象測定記録・監視用機器

脳波計は現在の脳内状況などを計り、脳の働きやまた脳の疾患、その症状を理解するための補助診断機器です。脳波計は5つ脳波(デルタ波・シータ波・アルファ波・ベータ波・ガンマ波)を基本的に測定し、その分析により脳内を把握するために用いられています。今回は、この脳波計の標準感度などを含め見ていきましょう。

脳波計とは

電極を頭部にいくつか付け、脳から発せられる極微弱な電気信号を記憶する装置の事を脳波計といいます。脳波計は、1930年代の初めにドイツとアメリカの技術者により開発されました。この発明により、脳波の研究が始まったと言っても良いのではないでしょうか。

日本国内では、1936年に東北大学で実験用の脳波計が製作されており、1943年には東京大学や北海道大学でも、脳波計が製出されています。世界からあまり遅れる事もなく、日本でも研究が進められていたようです。

脳波計で何がわかるか

脳波計検査は、脳の活動により脳内に極微弱な電気が流れます。その電気的に変動した電気を、頭に付けた電極でとらえ、その変化を波形として記録する事により分析・解析を行い、検査するものです。

この脳波には周波数により、デルタ波・シータ波・アルファ波・ベータ波・ガンマ波などに分類され、各脳波の変動を計測する事により様々な検査を行なうのです。その多くは安静時だけではなく、睡眠時・過呼吸・音刺激・光刺激などの状況下でも調べる事があります。

これらの検査の結果で、正常脳波・脳死・異常脳波などの判断を行い、医師の診断の材料になります。例えば異常脳波には、てんかん性脳波や脳炎と・器質性脳障害・意識障害などの異常脳波には、それぞれの特徴が見られるといったものです。

脳波計の標準感度は10μV/mm

脳波とは、一般的に0.5Hzから30Hz程度の周波数で、波形としては50μVほどで記録されるのですが、脳波計がこの患者の脳から発生する脳波を感知可能にするために、脳波計の感度を変化させたりする設定が必要となる場合があります。

この脳波計の感度とは脳波を計測し、記録する際の振幅の大きさを感知する電流の大きさを指します。またここで指す感度とは、記録感度の事を指すのです。そしてこの記録感度は、標準的には10μV/mmと設定されています。

また脳波計の感度調節には、規定が存在します。脳波計の感度を変化させる時には、5μV以下で設定されなくてはならないという規定があるのです。またその際の注意点として、2つ必要な事があるので見ていきましょう。

それは100μVの入力に対して、1つは感度調整を行ない表示波形の振幅が10mmに行なわれるようにする事です。さらにもう1つは、その際の試験用電圧回路を使用し電極接統器に試験電圧と直流電圧を正負の端末に切替し、振幅の変化が5μVp-p(マイクロメーターピーピー)以下である事の確認が必要になります。

まとめ

脳波計は、正確にその検査を行なうために感度が重要になってきます。その感度の調整にも、決まりと注意すべき点がある事がお分かりいただけた事でしょう。医療機器は年々進歩しており、脳波計も進歩しております。

脳波の検査で分かることは多く、その検査の重要性は大きいと言えると思いますが、検査自体は簡単なものですので、どうか心配なさらずに受診なさることをお勧めします。

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