がん治療や手術で用いられる最先端の医療機器とは?注目されている2種類を紹介

治療用機器

医療機器にはいろいろな種類がありますが、たとえばメスなど鋼製小物もあれば、麻酔器や人工呼吸器など中型機器、CTやMRIなど大型診断機器などに分けることができます。

他にもペースメーカや人工関節、内視鏡に人工透析装置など製品の種類は多岐に渡り、医療現場も診察室・検査室・手術室・集中治療室など種類があるため、それぞれで必要となる医療機器が設置されます。

高齢化が進む日本で特に注目されるのは、がん治療に用いられる医療機器ですが、がん治療や手術で使われる最先端の医療機器を2種類紹介します。

手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」

「ダ・ヴィンチ」とは、アメリカで開発された内視鏡手術支援ロボットです。

術者はサージョンコンソールに座り、腹腔をCO2ガスで気腹し、ロボット操作により手術を行います。

ロボット本体・操作台・助手用のモニターで構成されており、本体には3 本のアームと1 本のカメラが装着されています。

体内を鮮明な3Dカメラで立体的に映し出すことができ、手術機器の先端に備わった関節7つを270度の可動域で自由に操ることが可能です。

執刀医の手の震えは自動的に取り除かれ伝達されるため、繊細で正確な操作が可能になります。

「ダ・ヴィンチ」の特徴

・患者の体を大きく切ることなく、鉗子挿入用の小さな穴を開ければ体内に内視鏡カメラ・手術用器具を挿入し手術ができる

・直接手術しているときと同じ感覚で操作でき、手ぶれも防止できる

・可動範囲が大きく微細で精密な操作ができる

ロボット支援手術はトレーニングが必須要件

ダ・ヴィンチを用いたロボット支援手術は、関連学会等が推奨している一連のトレーニングを受けることが義務化されています。

陽子線治療装置

「陽子線治療」とは、エックス線やガンマ線などの光子線を使用した従来の放射線治療ではなく、水素の原子核(陽子)を加速しエネルギーを高めることでできる陽子線を使った治療です。

陽子線の持つ物理的な特性により、高い治療効果と身体的負担や副作用の軽さなどがメリットといえます。

優れた線量集中性を有しているため、周辺の正常組織に対し与える障害を抑えることができます。

病変部に対する線量増加が可能であり、高い局所制御率が期待できます。

陽子線の生物学的効果はX線とほぼ同じで、従来のX線治療で蓄積された放射線生物学的知識を応用できることや、安全で使いやすい治療であることもメリットといえるでしょう。

機能や形態を温存しやすく、社会復帰性の高い治療法としても注目されています。

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