知っていますか?MRIとエコーの違い

診断用機器

医療機関で幅広く使われているMRI検査とエコー検査。患者さんの体を傷付ける事なく、体の内部の様子を知る事が出来る点は一緒ですが、異なる部分もあります。今回はMRIとエコーの違いを見ていきましょう。

MRIとは

MRIとはmagnetic resonance imagingの略称で、強力な磁力と電磁波を使って体の断面図を撮像し、体内の様子を知る事からその名がつけられています。

MRIは、従来のレントゲン検査と異なりX線を使わない為、被爆の恐れがありません。
骨・神経・血管・靭帯・椎間板・半月板などを写す事が出来、脳疾患(脳梗塞)・脊髄疾患  (椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍)・婦人科疾患(子宮癌、卵巣癌)等の診断に特に有効とされています。横断面以外にあらゆる角度からの断面図を撮像出来る事も特徴です。

唯一、MRIの弱点として上げられるのは、動いている部位、具体的に言うと心臓や腸などを撮像すると、画像がブレてしまい正しい診断が難しいという事です。

エコーとは

エコーとは、人の聴覚ではとらえられない超高周波を検査部位に発信し、跳ね返ってきた反射波(これをエコーと呼びます。)を受診する事で、体内の様子を画像としてみる事が出来る装置です。体表面から比較的浅い位置の様子を知るのに適した検査方法です。 

心臓など、動いている臓器を鮮明にとらえる事が出来る為、MRIでは観察出来ない部位の観察などに用いられます。MRIと同じく放射線は使いません。

エコーを使った代表的な検査

動いている物を正確に画像で診断する事が出来る、エコーを用いた代表的な検査には次のような物があります。

心臓超音波検査

心臓の動き・血液の流れ・心膜液貯留の様子などを知る為の検査です。弁膜症・心筋梗塞・狭心症・心筋症などの診断に有効です。胸部にゼリーを塗り、側臥位(体の左側を下にして横になる)で、心電図電極をつけて検査します。

腹部超音波検査

肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・腸・腹部大動脈などを観察出来ます。脂肪肝・胆石・悪性腫瘍・動脈種などを発見出来ます。両手をあげた状態で、腹部にゼリーをつけて検査します。一時的に呼吸を止めたり体位を変換して撮影します。

乳腺超音波検査

乳腺の疾患(乳癌など)の診断補助と経過観察の為、行います。胸部にゼリーを塗り、両手をあげ、脇を広げた状態で仰向けに寝て行います。

甲状腺超音波検査

甲状腺の大きさ・形状・腫瘤の有無などを知る為の検査です。頸部にゼリーを塗り、頭を下げ、背をのけぞらせた状態で行います。

頸動脈超音波検査

脳へ血液を送る血管を観察し、血管のつまりや動脈硬化を観察する事が出来ます。仰向けで顔を傾けた状態で、首にゼリーを塗って行います。

下肢血管超音波検査

下肢(両足)の血管を観察し、動脈に血管のつまりや動脈硬化の有無を、静脈では血栓がないかと表在静脈瘤を知る事が出来ます。鼠径部から足先付近までゼリーを塗って、検査します。

まとめ

今回は、患者さんに負担なく体内の様子を知る事の出来る、MRIとエコーについて見てきました。MRI、エコーともに、現代の医療に求められる侵襲性の低い検査方法として、欠かす事の出来ない存在です。両者の特性の違いを知り、より患者さんに適した検査方法を用いましょう。

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