要注意!脳動脈瘤クリップを使っていてMRI検査を考えている方へ

診断用機器

患者さんの身体を傷付けることなく、体内の様子を詳しく知ることのできる医療機器MRIは、広く医療業界に浸透しています。これまでにMRI検査を受けたことのある方も多いと思います。しかし、MRIには注意するべきポイントも存在します。今回はMRIを受ける人が注意するべきポイントについて解説します。

非侵襲的検査装置MRI

MRI(Magnetic Resonance Imaging 磁気共鳴画像診断装置)がこれほど広く普及した要因は、やはり何と言っても患者の体に負担を掛けることなく、緻密なデータが得られる為でしょう。MRIは、その名の通り磁気を用いて体内を画像で診断する事の出来る装置です。

また、従来のエックス線写真撮影とは異なり、被ばくの心配もありません。これがMRIの最大の特徴です。

MRIの構造

MRI検査を受ける人は、架台の上に横になりじっとしている必要があります。MRI装置は主に筒形の超電導磁石であり、筒状の装置の内部には10000ガウスという非常に強い静磁場(均一な磁場)が常時発生しています。

MRI検査を受ける人は架台の上に寝たまま、この磁場の中に入る事になります。超電導磁石である、筒状のMRI装置の中に入った患者さんの身体に電波を照射する事で、患者さんの体内組織の水素原子核が磁気に共鳴し電波を発します。
MRI装置はこの電波をキャッチしてコンピュータで解析するというのが、MRIが患者の身体を傷付けずに断面の画像を見る事が出来る仕組みとなっています。

MRI検査の注意点

この様に、MRIと言う装置は磁力を利用しています。MRI検査を行う人、そしてMRI検査を受ける人は、常にその事を意識する必要があります。非侵襲的検査方法であるMRI検査ですが、注意を怠ると危険を生じる事もあります。どういったポイントに気を付ければ良いのでしょうか?

脳動脈瘤クリップを使用していないか?

脳動脈に出来た瘤が破裂するのを防ぐ施術に、「脳動脈瘤クリッピング術」という手法があります。これは、脳動脈瘤の根本の部分を金属製のクリップで挟み込む事で、血液の流入を防ぎ、脳動脈瘤が破裂する原因を取り除く手法です。

髪の毛を剃る必要もなく、入院に要する期間も10日前後と比較的短期間で社会復帰出来るため、古くから用いられている歴史ある手法です。この様に利点が多い様に思える脳動脈瘤クリッピング術ですが、MRI検査を受ける際に問題となるのはクリップの素材です。

このクリップが非磁性体であるチタン製であれば、問題なくMRI検査を受けることが出来ますが、それ以外の素材(磁気に反応する金属)が使われている場合、MRI装置の発する強力な磁力にクリップが引っ張られて、脳出血を引き起こす可能性があります。

まとめ

非侵襲的検査方法として、広く普及しているMRI検査ですが、その原理には強力な磁場を利用しているという事を常に意識して、患者さんや医療スタッフに危険が及ばないよう留意しましょう。

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