在宅医療推進の背景とその理由とは?求められる医療提供体制を解説

治療用機器

2025年には第一次ベビーブーム世代である団塊の世代が75歳になるといわれており、医療や介護の需要は今よりもさらに大きくなると考えられます。

しかし人口減少などで現役世代も減少傾向であり、医療提供現場は病院から在宅へという方向に舵が切られている状態です。

ただ、在宅医療現場には多くの課題が残されているといえますが、なぜ在宅医療が推進されているのか、求められる医療提供体制について解説していきます。

在宅医療推進の理由

2025年、団塊世代は前期高齢者となるため、日本の高齢化率は30%を超えます。

75歳以上の後期高齢者だけでその割合は13%を超えることが予測されているため、増加する介護を必要とする高齢者数に対応できなくなれば、在宅医療が推進されることになるでしょう。

病状にもよりますが、住み慣れた自宅で最期を迎えることを希望する方もいることや、高齢者人口は増えるのに生産年齢は減少傾向にあることで、療養する場は医療現場から在宅にシフトすることへの推進が強く求められているといえます。

在宅医療の医療機能体制

国が在宅医療について求める医療機能体制として、主に次の4つが挙げられます。

・退院支援(入院医療機関と在宅医療関係機関が連携・協働し継続して支援する)
・日常の療養支援(多職種との協働により患者やその家族の生活を支える医療提供と緩和ケア提供などの支援をする)
・急変時の対応(在宅療養患者の病状が急変した場合の往診や訪問看護体制導入と入院病床確保)
・看取り(住み慣れた自宅や介護施設など希望する場所での看取り実施)

上記機能を維持・継続するためには、病院・歯科医院・薬局・訪問介護・居宅介護・地域包括支援センター・短期入所など、異なる職種や機関とで連携を図りながら24時間体制での在宅医療提供が必要となるでしょう。

地域包括ケアシステムとは

後期高齢者が増加する2025年に向け、国は「地域包括ケアシステム」を実現させることを目指しています。

そのために必要とされるのは、以下の5つの取り組みです。

・医療連携・介護サービスの強化
・予防推進
・見守り・買い物など生活支援サービスの推進
・高齢者の整備

域包括システムのあり方は地域ごとに変わるため、誰もが住み慣れた地域で自分らしく生活するためにも、医療や介護の現場以外にも自治体や町会、ボランティア・住民などが一体となり支えあう体制をつくることが求められるといえるでしょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧