血圧計での測定にも応用されている!?精度管理

生体現象測定記録・監視用機器

はじめに

精度管理とは、医療機器の測定上の精度を分析し管理することを意味し、大きく「内部精度管理」と「外部精度管理」に分けられます。

血圧計に関してもこの精度管理の例外ではなく、正しい測定値を継続的に出し続けるために精度管理は必須の事項といえます。
今回はこの「精度管理」について詳しく見ていきましょう。

精度管理をもっと詳しく!

先にも述べたように、精度管理には2種類あります。
まず内部精度管理についてですが、これは医療機関がその自施設内で医療機器の精密性を向上させるために取り組むべき内容のものです。
血圧計についていえば、同じ医療機関内で同一サンプルを測定したときの血圧値が常時一定になるように管理することで、そのためには基準となる血圧計を設けることが必須になります。

それから外部精度管理は、自施設と他施設の測定値を比較しその結果を第三者機関が評価することで測定値の正確さを向上させるのが目的とされています。

精確さについて

「精確さ」とは「正確さ」とは異なる概念のことで「精度」と「真度」によって測ることができます。

また、「精度」と「真度」についてはJISの定義では以下のように説明されています。

精度

測定値のバラツキを表す用語です。
「定められた条件の下で繰り返された独立した測定結果の間の一致の程度のこと」と定義されています。

真度

測定値の偏りを表す用語です。
JISの定義では「十分多数の測定結果から得られた平均値と採択された測定値の一致の程度のこと」となります。

両者についてもう少し分かりやすく説明します。

精度とは何度か繰り返した測定がそれぞれどれくらい乖離しているかを示しており、よく的を銃で撃つことにたとえられます。
例えば、的の同じ部分を5回連続で射貫くことができたらこれは精度が高く「再現性が高い」と表現できます。
しかし、再現性が高くてもそもそも正しい測定値と乖離していたら意味がありません。

このことについてもう一つ、血圧計の例で説明します。
ある血圧計を使用した血圧の測定で何度も130mmHgの結果が出たとします。
この状態は再現性が高く、いかにも「130mmHg」が正しい値である感じがします。

しかし、この血圧計自体が間違った測定値を「精度は高い状態で」たたき出していたと考えたらどうでしょうか。何度も繰り返して間違った同じ値を出しているにすぎません。
このときに必要になってくる考え方が「真度」になります。

真度とは測定値が正しい測定値からどれくらい乖離しているかを測るものです。

先ほどの銃の例で考えてみます。
的の中央が正しい測定値だとすると、的の中央付近に近づけば近づく程「真度」は上がり、的の中央から離れれば離れるほど「真度」は低くなります。
ただし、的の同じ一部分に何度も当たっても、的の中央から大きく外れていたのでは「精度は高くても真度は低い」ということになってしまいます。

「精確さ」の高い装置とは、これら「精度」と「真度」が高い装置ということができます。

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