レーザーメスの種類ごとの利点・特徴は?

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はじめに

レーザーは使用される媒質によって大まかに、固体・気体・液体・半導体レーザーの4種類に分けられます。とは言えレーザーメスとして利用されているものは、その中でもほんの一部です。

またレーザーの詳しい原理についてはこの記事では割愛しますが、医療用レーザーメスとして使用されることも多い「炭酸ガスレーザー」「YAGレーザー」「半導体レーザー」という3種類のレーザーの特徴・利点について、今回はまとめてみたいと思います。

炭酸ガスレーザーの特徴

炭酸ガスレーザーの最大の特徴は「水への吸収率が高い」点といえます。
ですので、構成要素の70%ほどが水分である人体用の医療レーザーメスとして用いられることも多いレーザーです。
具体的には、炭酸ガスレーザーを皮膚へ照射することで熱が発生し、ホクロやイボ等の切除・切開に利用されています。

また、この種のレーザーは金属溶接や金属加工などの工業用として用いられることも多いといった特徴もあります。

YAGレーザーの特徴

炭酸ガスレーザーと並んでレーザーメスとして使用されることが多いのがYAGレーザーです。
このレーザーの特徴・利点は発振物質(媒質)が固体であることと、患部の凝固といった大きな出力を要する施術に用いられるという点が挙げられます。

また、水分には吸収されにくいので膀胱内の治療や眼科用のレーザーとしても利用されることが多くなっています。
さらに、こちらのレーザーも炭酸ガスレーザーと同様、「工業・医療併用で用いられる」といった利点もあります。

半導体レーザーの特徴

CDやDVDプレイヤーなどの家電製品などに使用されることも多い半導体レーザーは、基本的に出力が小さいことが特徴です。
一方でレーザーメスとして使用するときは高出力にしないといけません。
高出力のものについては止血効果が高いため、前立腺切除など出血しやすい場所に用いられます。
使われる場面としては、アトピーなどの炎症や鼻炎、傷跡の治療等に用いられます。
また、出力を最大化し肝葉切除術等に用いられる医療用半導体レーザーもあります。

まとめ

レーザーメスはその触媒となる物質によって様々な種類があることがお分かりいただけたと思います。
また、レーザーメスはその種類ごとに特徴や利点があり、それに応じて用途も異なってきます。
さらに医療用レーザーはメス以外にも内視鏡手術や皮膚科・眼科の治療等にも応用されていて、今後も用途範囲は広がっていくでしょう。
医療現場で活用する知識として、参考にしていただければ幸いです。

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