mri検査の妊娠中における影響とは?

生体現象測定記録・監視用機器

女性は妊娠するとさまざまなことに気をつける必要があります。
薬剤、アルコール、喫煙、カフェイン、摂取すべき栄養素、運動など列挙すればキリがないほどです。
妊娠していないときでは思いもしなかったことが気になり、「ビールはダメでもノンアルコールビールならいいのだろうか」とか「1日2杯までならコーヒーを飲んでも大丈夫だろう」と考える人もいるように、明確な正解がない場合も多いようです。


これらと同様に病院で行う検査も妊娠中に行ってよいのか、それとも何らかの悪影響があるのかさまざまな議論がされてきました。
画像診断のひとつであるct検査は少なからず放射線による被ばくがあるため、胎児に影響を及ぼす可能性があります。
では、mri検査はどうなのでしょうか?
mri装置は放射線による被ばくは心配することがありませんが電磁波や強力な磁場、造影剤の使用、ガントリ内部での恐怖感など胎児には悪影響ではないのかと思われる要素はいくつか考えられます。
実際にmri検査による妊婦や胎児へ影響はあるのでしょうか?

○mri検査による妊婦、胎児への影響
妊娠中の方へのmri検査についてはさまざまな研究や提言がなされています。結論から言えば、「はっきりとした研究結果は得られていない」という答えになってしまいますが、いくつかのデータをご紹介します。
アメリカの医師会雑誌「Association between MRI exposure during pregnancy and fetal and childhood outcomes」※原文はこちら
では、胎児が最も過敏性の高い妊娠初期12週にmri検査を受けた場合においても成長や異常の発生などはmri検査を受けなかった子どもと比較して差異はなかったと報告しています。ただし、造影剤(ガドリニウム)を用いた検査では死産率やリウマチ様症状の発生リスクが高まるとされています。
一方で、日本産婦人科学会の資料(pdfファアル)によれば、妊娠中のmri検査について以下の提言をされています。
“変動磁場や RF パルスなどの胎児への影響については未解決の部分があり、器官形成期である妊娠初期(14週未満)の女性への適用はできるだけ避けるべきである”
妊娠14週以降については、検査による利点がある場合に限り医師の判断のもとで実施するべきであると説明をしています。

○まとめ
mri検査は子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮頸癌のstaging等の診断に有効な検査です。主治医から説明を受け、納得をしてから検査を受けるようにしましょう。

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