電子体温計とは?体温計の種類と測定する部位について簡単に解説

生体現象測定記録・監視用機器

体温の変化を感知する電子部品が使用されている体温計を「電子体温計」といいますが、体温は体の中心に近づくほど高く安定しているなど、部位によって数値は異なります。

たとえば手足の末梢や顔表面は、外気など環境の影響を受けやすいため不安定であるのに対し、中枢(核心)と呼ばれる体内の温度は脳や心臓などの臓器の機能を維持するため安定しています。

体内の中枢(核心)温を測ることで正しい体温を知ることができるため、反映されやすく身体に負担をかけないワキ(腋窩)・口(舌下)・耳(耳内)・直腸などで検温されます。

どこで体温をはかるかによって、使用する体温計の種類も異なりますが、家庭で使用されていることが多い電子体温計とはどのような体温計なのか、体温計の種類やそれぞれの測定部位について簡単に解説していきます。

 

体温計の種類

体温計には、測定を開始からの体温上昇の変化を感知し、最適な予測式を選んで数分後の体温を予測・表示する予測式体温計と、測定部位の数値を測定し表示する実測式体温計がありますが、大きく分けると次の2つです。

・電子体温計

・水銀体温計

それぞれの体温計について説明します。

 

電子体温計

「電子体温計」とは、温度が変化することで電気の流れにくさが大きくかわるセンサーが備わった電子部品により、温度の変化を感知して体温測定できる体温計です。

水銀体温計より使いやすく、一般的に家庭で使用されている体温計といえます。

 

水銀体温計

「水銀体温計」は、温度により水銀が膨張する性質を利用した体温計です。

温度で変化する水銀を目盛りで数値化し、体温としてあらわします。

ただ、環境に負荷が高いとされる水銀を使っていることや、ガラス管が割れたときなどのリスクから、新しい水銀体温計の製造・販売は禁止されています。

 

体温測定する部位

体温測定する部位は先に述べた通りいろいろあるものの、測定部位によって検温で必要となる時間や方法は異なります。

平熱と判断できる数値も部位によって異なるため、それぞれの部位の平熱について知っておくことが必要といえますが、体温測定する以下の部位について説明します。

・ワキ

・口中

・額

・耳

・その他部位

 

ワキ

体温測定の中で最も一般的な方法で、ワキに挟んで体温を測定します。

外気の影響を受けにくいことが特徴で、体内の温度をワキに反映させた平衡温を測ります。

 

口中

舌下に体温計をあて口を閉じて測定しますが、基礎体温などの測定で用いられます。

ワキよりも高い値が表示されるといった特徴があります。

 

額から放出される赤外線を体温へ換算し表示する方法で、ワキや口中で測定した体温に換算した値など製品により異なります。

メリットは測定までの時間が1秒と短く、非接触の検温が可能であることです。

 

耳の中の赤外線を赤外線センサーで測定しますが、耳の形状は人それぞれのため測定位置を把握することが重要です。

 

その他部位

他にも直腸で測定する体温計もあり、手術などでより正確な体温測定が求められるときに使用されることがあります。

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