最強のタッグが組まれた!レーザー内視鏡による手術

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
現在、手術を行っても以前より手術跡の傷が小さいということを聞いたことはないでしょうか。それは内視鏡による手術の技術が進んだためです。
以前は金属のメスで大きく手術部位を切開しなくてはならなかったため、手術後の縫合の傷跡は大きいもので、その「手術痕」が悩みになるということもありました。
今回は内視鏡とレーザーメスを使った治療、手術がどのようなものであるか説明したいと思います。

【レーザー内視鏡とは?】

内視鏡にレーザーメスがついているものです。内視鏡で体内をモニターなどで確認しながら手術を行い、切開・止血の際レーザーメスを使います。
出血を起こしやすい肝臓などの臓器の手術に大変有効です。

【レーザー内視鏡による手術】

なぜレーザー内視鏡で手術するのでしょうか。前述のように出血を起こしやすい臓器の手術のリスクを減らす目的もあります。
また、内視鏡検査によって例えば初期の小さい胃がんが見つかったとします。せっかく負担の少ない内視鏡で見つけたのに大きく開腹手術の必要があるのか、などの考え方が議論を呼びました。
あるいは逆に進行したがんの場合も大きく開腹手術をすると体力的などでも患者の負担がかかるという問題がありました。

そうすると、内視鏡で手術ができたら検査・手術ともに医師にとっても患者にとってもローリスクでできる!
・・・というわけで「手術ができる内視鏡」の開発が進んだのです。

レーザー内視鏡による手術では、内視鏡のほか手術する部分にトロカール(トロッカー、トラカール)という細長いまっすぐな機器についた細長い鉗子、ピンセット、ハサミなどを差し込み手術を行います。全てが細長くできているため患者の体に開ける傷も非常に小さくすみます。それらを駆使するため、切開・止血・縫合を普通の開腹手術と同じように行えるのです。

時間の短縮や出血を最小限にとどめ、手術の成功率を上げるためにレーザー治療器がなくてはならないものでした。
レーザーメスは切開しながら凝固、または止血しながら切開できるという大きな利点があり、それを内視鏡で間違いのないようにリアルタイムで手術部分を見ながら進めるのです。
まさに内視鏡とレーザーメスは最強のタッグであり、手術技術は飛躍的に進歩しました。

【まとめ】

あとの課題は「どこの病院でも、どんな病気・病状であっても」、また少しでも多くの医師がその手術を行えるようになることが待たれます。
手術痕が小さければ、医師や患者の手術での負担が減るほか、患者の心理的な負担(手術への恐怖感や傷跡)も減ります。そして傷の治りが早くなり入院日数も減るというメリットもあり、まさに理想的な未来への躍進がレーザー内視鏡による手術といえるでしょう。

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