【脳波計】 電極の配置手順を紹介

生体現象測定記録・監視用機器

脳波は人間や動物の脳から発する電気的な信号を電極で検出し、増幅、記録することで診断や検査、研究などに活用されます。最近ではコンピューターと接続して自分の思考によって機械を操作できるようになるなど技術革新が進んでいます。

○脳波の検査方法

脳波の検査方法には電極をどこに設置するのかによって「頭皮上電極」と「頭蓋内電極」にわけられます。

・頭皮上電極
頭皮上に電極を設置して検査を行う方法です。一般的な記録法である「国際10-20法」では21個の電極を頭皮に配置します。電極の装着方法として、ペーストや帽子で電極を固定する方法や針電極を用いて皮内に挿入する方法、電極をバンドで固定する方法などがあります。侵襲性がないことが最大のメリットといえますが、その反面で雑音が混入しやすいというデメリットがあります。

・頭蓋内電極
頭蓋内電極は頭皮上電極では記録することが難しい脳底面などでも脳波を記録することができます。術前の脳波測定などで用いられます。雑音が混入しにくく正確な脳波を測定できるメリットがありますが、電極の設置には開頭手術が必要です。

○国際10-20法について

頭皮上電極は「国際10-20法」に基づいて電極を配置することが一般的です。国際10-20法は頭皮を10%・20%の間隔で21個の電極を配置する方法です。

具体的な設置手順は以下の通りです。
●鼻根・後頭結節・左右耳介前点をそれぞれ計測してその中点より[Cz](頭蓋頂)を求めます。
そして鼻根・後頭結節に向けての直線上に10%・20%・20%・20%・20%・10%となるように分け、前方から[Fpz][Fz][Cz][Pz][Oz]として電極を配置します。

●左右耳介の前点と[Cz]を通る直線上に10%、20%、20%、20%、20%、10%となるように分け、左側から[T3][C3][C4][T4]として電極を配置します。

●[Fpz][T3][Oz]を通過する外周線上に10%、20%、20%、20%、20%、10%となるように分け、前面から左外周にかけて[Fp1][F7][T5][O1]として電極を配置します。同じ要領で前面から右外周線にかけて[Fp2][F8][T6][O2]とします。

●[Fp1]と[C3]を結んでいる線の中点、[Fz]と[F7]を結んでいる線の中点が交差する点を[F3]とします。
さらに[C3]と[O1]を結んでいる線の中点、[Pz]と[T5]を結んでいる線の中点が交差する点を[P3]とします。
右側も同じ要領で[F4][P4]として電極を配置します。
最後に左右の耳朶の前部表面を[A1][A2]としてすべての電極の配置が完了となります。

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