血圧計のメカニズムを知ろう

診断用機器

血圧計は手首に巻いて測定するタイプのものもあれば、上腕で測定するタイプとその種類は様々です。測定方法もその機器によって異なりますが、そのメカニズムはどのようになっているのでしょうか。ここでは、血圧計のメカニズム(仕組み)を解説します。

血圧測定機器の特長

血圧測定機器には、聴診法(水銀血圧計・アネロイド血圧計)とオシロメトリック法があります。聴診法はカフを腕に巻いて膨らませ、動脈を閉塞して後、空気を抜いて血液が再度流れはじめる時の血流による血管音(コロトコフ音)を、聴診器を使って聴き取ります。WHO(世界保健機関)で推奨されているため、病院ではこの方法が一般的です。

自動電子血圧計が採用しているオシロメトリック法は、カフを腕に巻いて膨らませ、動脈を閉塞して後、空気を抜いて血液が再度流れはじめる時の血流による血管の振動をセンサーが感知し、アルゴリズムを使って収縮期血圧と拡張期血圧を自動的に計算します。

水銀血圧計

水銀血圧計は水銀という物質をうまく利用した血圧計です。水銀は金属なのに液体です。4℃の水の比重が1なのに対して水銀の比重は13.456です。これは、同じ大きさの器の中に水を入れた場合と水銀を入れた場合では約13.456倍水銀の方が重くなるという意味です。

血圧という圧力を水銀血圧計にかけた場合、水なら1m43㎝浮くなら水銀は10㎝しか浮きません。その特性を利用して血圧を計測します。

アネロイド血圧計

アネロイドとは、ギリシャ語で「液体を使わない」という意味をもっていることから、つまり水銀を使用しない聴診法の血圧計になります。

アネロイド血圧計の構造・構成を大まかにわけると「本体」「カフ部分」「ゴム球部分」にわけることができます。もう少し細かく構成部分を見ていくと、血圧が実際に測定される「ゲージ」腕に巻き付ける「カフ部分」空気を実際に送り込む「送気球」「送気球の末端」、空気を抜く時に使用する「リリースバルブ」の5つの部分から構成されています。

自動電子血圧計

自動電子血圧計が血圧を測定する方法はオシロメトリック法となります。オシロメトリック法とコロトコフ法では、心拍の確認方法が違っています。コロトコフ法は、心拍を「コロトコフ音」で確認しましたが、オシロメトリック法は「心拍を血管に生じる振動(脈波)」で確認します。

この方法では、血管の振動が急激に大きくなった時の血圧が収縮期血圧、血管の振動があまり変化しなくなった時の血圧が拡張期血圧となります。

まとめ

最近では血圧とともに脈拍、体温、体重など総合的に測定してくれる機器も登場しています。その中でも血圧は健康を維持するためにも重要項目となります。ご自宅に血圧計がある方はぜひ健康維持に役立てたいものです。

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