脳波計で脳の検査をして脳の状態を把握!

生体現象測定記録・監視用機器

脳は人間の臓器の中でも、人間が正常に活動するための重要器官です。その脳の状態や反応を調べるには、脳波計という医療器具が必要不可欠です。脳が活動するとき微弱な電気が発生していますが、その電気(=電位差)を脳波計で脳波として調べることが出来ます。脳から生じる異常な状態を、脳波検査で適切に判断し治療することが可能です。脳波計につてご紹介します。

脳波とは何か?

脳が活動をするときニューロンという神経を使い情報の交換など行い活動していますニューロンが働くとき微弱な電気を発生させます。その電気(=電位差)として検知して時間経過と共に記録します。

このとき縦方向に電位差、横方向に時間とした座標にニューロンから生じた電位差を波形として表すことが出来ます。この波形のことを脳波と呼びます。脳波の状態によって、脳が正常な活動をしているか、あるいは異常な状態にあるかが分かるのです。

脳波検査は、脳の活動の機能や反応の状態を捉えるのに欠かせないものです。また正常な状態にあるか否かを調べることにも必要なものです。

脳波の種類

脳波には様々なものがあります。ベータ波・アルファ波・シータ波・デルタ波・ガンマ波など5つあります。

目と閉じ安静な状態にあるときには、アルファ波が発生します。目を開けて物を見たり音などに注意を向けたりするとベータ波に変わります。睡眠に入るまどろみでは、シータ波が出ます。また眠りやや深くなるときと無意識の状態では、デルタ波が出ます。ガンマ波は未知の領域が多く、認知機能に最適な周波数と考える場合もあります。

それぞれ脳波には、生理・心理状態が反映されリラックス状態やストレス状態などが分かります。

脳の診断のため脳波検査が必要

検査は治療経過や診断などを見るためなどの目的があります。

◯診断の検査
ケースとして患者に何らかの発作症状が見られた際、それがてんかんであるのか、てんかん以外の脳波異常によるものかを判断するため脳波検査は欠かすことが出来ません。てんかん発作が生じているときの発作時脳波は重要な情報を表しますが、通常の検査で記録されることはまれです。

しかし、発作の生じていない際の脳波【発作間欠時脳波】にも、その人固有のてんかん性の所見が見られ診断に役立ちます。

◯治療経過の検査
処方した薬が有効か否かを、脳波の検査で先を計ることが出来ることがあります。治療結果が変わらなかったときや、逆に増加するようなときは脳波検査を繰り返して薬の影響を確認します。

また治療の段階状態を見るだけでなく、治療維持するときにも発作頻度の減少や消失したときも定期的に脳波検査を行うことがあります。その他に発作が完全に抑制され、脳波異常が見られない状態にあれば、薬の減量や中止の判断をします。

脳波を読み取る新しい手法

初めて脳波を測定して約90年の時が経ちました。従来の脳波測定と言えば【多チャンネルの誘導によって・脳波を長時間にわたり単純に測定する・実時間で記録する】というものが基本的でした。現在脳波検査に関しても短時間で自動診断可能な装置の実用化は進んでいます。

近年になり脳波記録法の中でも「aEEG【Amplitude integrated EEG】」と呼ばれる手法が開発されました。これにより新生児の脳波診断などに有効なことが分かってきました。これまで周波数成分を主体とした解析に対して、それぞれの周波数帯の時間変化や振幅に注目が集まる様になりました。

注目すべきは、aEEGはこれまで実時間として調整かつ監視されてきた脳波のパターンを、時間圧縮により統合的に観察をする手法だということです。時間圧縮した波形を俯瞰的に眺めることにより例えば、潜在的な【背景脳波】と呼ばれる分野にも光明が差してきました。この手法により未熟児の潜在的なてんかんの検出が可能なことが分かってきました。予測的な診断による治療が行える意義は大きいでしょう。

まとめ

脳波が脳の活動状態を表すもの。脳波計は脳波を記録する医療器具で、脳の機能や反応、診断や治療経過を見る大切な役割を担っていること。脳波には様々な種類があること。最近の新しい脳波を読み取る手法などについてご紹介しました。

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