手術台の術前点検の必要性

治療用機器

医療機関において使用頻度の高い器具である手術台。手術が円滑に行われる事や患者の安全に取って、手術台の点検作業は重要です。今回手術台の術前点検の必要性を解説します。

仕組みが示す点検の重要性

手術台は、メーカーや機種によっても若干異なりますが、大きく分けて5つの部分から構成されています。

①手術台を支えている支柱部分
支柱部分は手術台コラム(固定式または移動式)とも言います。

②テーブルトップ(交換可能なもの)
テーブルトップは、台を支える状態の部分から成っています。分離式の場合はレッグプレート部分に分かれています。

③搬送車
搬送車は手術台のコラムに設置することで、台の移動を自由に行う事ができます。

④コントロールユニット
可動部分を電動や手動で調整する機器です。

⑤アクセサリー
台に必要な個々の補助機器(マットやベルトなど)です。

手術台を構成している各部の名称や役割を知ると、台が単体で用を成しているのではないことが分かると思います。また施術中には、台の金属部分と患者が接触しないよう注意が必要です。なぜならば、高周波機器または除細動器の使用で火傷を負う危険性があるからです。

誘導性のドレープなどにも注意しましょう。手術台の仕組みを考慮して、注意すべきチェック項目を毎回点検することが重要です。

術前の点検事項

①動作確認
手術台が電動式の場合、可動部分の動作確認が必要です。正常に動くかを、動きや音などから判断します。また、手術台が移動式の場合は、施術中に動かないように、しっかり固定されているか確認します。若干のゆるみでもあれば使用を中止し、他の手術台を使用します。

②部品などの状態確認
手術台は通常、専門業者によって保守点検が行われています。しかし、台の構造に関した部品などの傷や破損、ネジのゆるみなどの異常を確認したときは、直ちに医療施設責任者に報告し、修理などの対策ができるまではその手術台の使用を停止します。

③清掃確認
清掃は、術前・術中・術後に各々行い、感染防止マニュアルに沿ったものを実施します。点検後にも清掃するようにします。

④手術台周りの環境確認
台の周りにある器材や電源コードが施術の妨げにならない様、常に整理が必要です。また器材や機器の配置も術中の医師の動線をさえぎったりしない事を心がけます。温度の管理も施術に影響を及ぼすので、適度な管理をすることが重要です。

⑤保守点検
手術台の保守点検は、手術台の製造業社が指定した者、または指定業社によって、台を良好な状態で使用維持するための点検です。

保守点検契約内容・条件・実施要領の確認

保守点検及び部品交換、故障時の対応などは、契約をとりかわす際に契約書の内容を業者と医療施設とがよく理解して確認しておくことが大切です。また保守点検の実施日時の確認をして備えておく必要があります。

まとめ

今回は手術台という医療機器の点検の重要性をお伝えしました。安全確保をきちんと確保して、万全な体制を維持しましょう。

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