肝生検なしで肝臓の線維化など評価できる医療機器「フィブロスキャン」とは?

診断用機器

「フィブロスキャン」とは、肝臓の硬さや肝臓内の脂肪量度合いなどを測定し、数値化することができる医療機器です。

肝生検せずに肝臓の線維化や脂肪化などの評価が可能となる最新の医療機器といえますが、どのような特徴があるのか、活用するメリットについて解説していきます。

肝生検とは

「肝生検」とは、肝臓に針を刺し肝組織のコラーゲン量を確認する検査です。

肝臓は肝炎ウイルス感染やアルコール摂取の影響によって線維化が進み、肝内のコラーゲンが増えて硬くなってしまいます。

どのくらい線維化しているか確認するために行う検査が「肝生検」であり、病理診断から慢性肝炎から肝硬変まで4段階のステージに区分されます。

段階が進めば肝不全に進んでしまったり肝がんになったりなどのリスクが高くなるため、早期の肝生検で線維化を防ぐことが必要です。

また、検査すれば肝細胞の脂肪化も確認・診断できるため、肝発がんのリスクを抑えることにもつながるといえます。

ただ、肝生検は医療機関に入院して実施することになるため手軽にできる検査ではなく、さらに肝臓に針を刺すため一定のリスクも伴う検査であることがデメリットです。

フィブロスキャンによる検査のメリット

肝臓の線維化や脂肪化の程度を知りたいけれど、入院することやリスクを伴うことを懸念し、肝生検は避けたいというケースもあるでしょう。

この場合、肝生検ではなく最新鋭機器「フィブロスキャン」を使っても、肝臓の線維化や脂肪化を評価できます。

フィブロスキャンなら入院不要であることと、プローブをあてるだけで測定可能であるため患者の負担を最小限に抑えることができます。

繰り返し計測することもでき、肝臓の硬さや脂肪量は数値化されるため、発がんリスクを推定することも可能です。

病気の進行の程度や治療の効果なども数値の変化で把握できるため、血液検査を行うよりも高い精度で患者に痛みを与えることなく経過観察ができます。

フィブロスキャンの検査方法

フィブロスキャンの検査を行うときには、検査前に絶食することが必要です。

超音波検査室で検査を行いますが、時間は5~10分程度で短いことがメリットといえます。

肝臓のあたりにブローブをあてて、超音波とせん断波による弱い振動を与えるだけのため、軽い刺激は感じるものの痛みはありません。

なお、次に該当する方はフィブロスキャンの検査ができません。

・妊婦

・ペースメーカー装着者

さらに 腹水や肝臓内に腫瘍がある方や、高度肥満の方は正確な数値は把握できないため、別の検査方法を行うことになるでしょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧