食道外科とは?取り扱う主な疾患と食道がんの治療を簡単に紹介

食道外科とは、食道に関係する病気の診断と治療を専門とする外科です。
主に扱う疾患は、食道がん・食道裂孔ヘルニア・食道アカラシアなどが挙げられます。
内視鏡治療・手術治療・放射線治療などの治療法を組み合わせ、患者の状態に合った最適な治療を行います。
そこで、食道外科について、取り扱う主な疾患と食道がんの治療を簡単に紹介します。
食道外科とは
食道外科とは、食道に関連する疾患の外科的治療が専門の診療科であり、主に食道がんに対する手術などを行います。
そのため、食道に関するすべての病気の診断と治療を行い、内科・放射線診断科・放射線治療科・頭頸部外科・口腔外科などと協力しなら、咽喉頭や口腔領域のがんにおける早期診断・治療も積極的に行う診療科です。
また、一般外科領域の腹壁ヘルニアや鼠径ヘルニアの専門でもあります。
以上により、食道外科の取り扱う疾患は主に以下のとおりといえるでしょう。
・食道がん
・良性食道腫瘍
・食道異物
・食道穿孔
・食道裂孔ヘルニア
・胃がん
・胃腫瘍
・胸壁腫瘍
・胃穿孔
・十二指腸潰瘍穿孔
・糖尿病・高血圧などを伴う病的肥満症
食道とは
食道は、喉と胃をつなぐ管状の臓器であり、口から取った食べものを胃まで送り込む役割を担います。
その長さは25センチ、太さ2〜3センチとされており、体の中心に位置する臓器です。
食道にがんができる多くは男性で、女性の6倍までに及びます。
飲酒や喫煙が主な理由といえるため、近年では女性の愛煙家なども増えているため、今後は性別に関係なくそのリスクが高くなるとも考えられます。
また、日本人の食道がんは扁平上皮と呼ばれる粘膜から起こる扁平上皮がんが多く見られるものの、バレット上皮と呼ばれる食道と胃の境界から発生するバレット腺がんも増加傾向にあります。
早期の段階からリンパ節転移が始まり、転移の範囲も広いため、予防はもちろんのこと早期発見・治療を徹底することが求められます。
食道がんの治療
食道は、頸部・胸部・腹部に渡り縦に伸びる臓器です。
心臓・大血管・肺・気管・気管支など、生命を維持する上で重要な臓器に接しています。
そのため、食道がんになると広範囲で転移する恐れがあるため、適切な早期治療が求められます。
主な治療は、内視鏡治療・手術・放射線療法・化学療法です。
転移リスクの低い早期食道がんであれば、内視鏡治療の適応対象となります。