CT装置、人気のメーカーは?

診断用機器

【はじめに】
CT装置を使った検査では、X線を患者さんにあてて体内の断面を撮影しそのデータを立体的にすることで異常、病気を発見するものです。
このCT装置はどこのメーカーで作られているのでしょうか。今回はそのことについて説明したいと思います。

【日本で使われているCT装置と意外な「世界一」】

CT装置、CT検査などと聞くとだいたいの人が病院を思い浮かべると思います。
しかしCT装置には医療用と産業用があります。
産業用のCT装置は製品を作るとき、金属の内部を見るためのものです。

今回は医療用のCT装置メーカーについて書きたいと思います。
2015年当時の某雑誌によると、日本で使用されているCT装置のメーカーは日本の東芝、ドイツのシーメンス、アメリカのGEの製品が特に最先端のものとして使われているようです。

そしてほかにもジョンソン・アンド・ジョンソン、キヤノンメディカルシステムズなどの名が挙がっています。
中でもジョンソン・アンド・ジョンソンは医療機器部門の売上高のトップで、シーメンスは4位となっています。
技術力が高いといわれている日本ですが、売上げとしてはテルモが20位、東芝が22位となっています。
売上げとしては早くから医療機器を開発してきた欧米メーカーがダントツに強く、世界の売上げのうち約4割はアメリカ、約4割を欧州、そして日本は約1割です。

ところで、日本はCT装置の保有台数が世界一になっています。
あるデータでは100万人あたりの装置がイギリスでは7.4台であるのに対し、日本はなんと97.3台という圧倒的な数字です。
この理由は一概にはいえませんが、まず日本は国民全員が保険に入るという仕組みがあり、ほかの国より医療費が安くすむという理由があります。つまりCT検査を受けることが容易であるのです。そのため各メーカーはこぞってCT装置を販売します。
CT装置がたくさんあるということは自然にユーザー(病院を利用する人)の目も厳しくなり、病気の早期発見のためにより良いCT装置を保有している評判の良い病院を利用します。特にがんなど重い病気が、優れたCT検査で見つかるのなら、そちらを選びますよね。
このような理由から日本にはCT装置が世界一多いといわれています。

【日本初のCT装置】

日本初のCT装置は、世界で初めてCT装置を開発したイギリスのEMI社と販売契約を結んだ東芝が納入した頭部用CT装置で、1975年東京女子医科大学に設置されました。
そして1978年、国立がんセンターに東芝が開発した全身用CT装置が設置。
東芝はそれから現在まで日本のCT装置を牽引しています。

【まとめ】

優れた医療機器の開発は私たちの健康を守るために欠かせません。
これからの高齢化社会に向けてCT装置の需要はまだまだ衰えないといわれています。
企業間の売上競争は必ずしも良い面だけとはいえませんが(売上至上主義になり、製品の質が落ちるなど)、ぜひ健康を守るといった人道的精神でこれからの社会に役立つ商品の開発が各メーカーに求められています。

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