看護師なら知っておきたい血圧計の種類と測定の仕方

生体現象測定記録・監視用機器

はじめに

血圧計には様々な種類がありますが、その種類を大別すると、直接動脈内圧を測定する「観血血圧モニタ式」と、動脈内圧と外圧との相互作用を捉えて測定する「非観血式」の2種類に分けられます。
それから、非観血式の血圧計は「手動型」と「自動型」の装置に分けられ、手動血圧計で一般的なのがアネロイド血圧計というものになります。

一方自動型のもので代表的なのが、「コロトコフ式」血圧計というもので、アネロイド血圧計とともに医療機関で多く使用されています。
今回は、その「アネロイド血圧計」と「コロトコフ式」血圧計の測定の仕方をザっと紹介したいと思います。

医療機関ではアネロイド血圧計が一般的!

医療機関にある様々な種類の血圧計の中でもアネロイド血圧計は最も一般的です。
アネロイド血圧計を使用するときには、聴診が必要な場合と触診が必要な場合があります。

聴診が必要な場合には、カフが上腕の2/3程の長さのものを使うのが一般的で、カフの巻き方も指が1~2本入るくらいのきつさで巻くのが最適です。

また、聴診器は肘窩(上腕から前腕への移行部分)部分の上腕動脈に当て、腕は心臓と同じ高さにします。
このとき、血圧計の設定を通常の収縮期血圧よりも30mmHg程高く設定し加圧していきます。
血管音が聞こえる部分は収縮期血圧、消失した部分は拡張期血圧となります。

触診法の場合には、橈骨(前腕部の骨)動脈を触診しながら加圧します。
この部分の拍動が消滅した後、聴診の時と同じように30mmHg程加圧します。
徐々に減圧し、最初に拍動を開始したポイントが収縮期血圧になります。

コロトコフ法の血圧計も基本は聴診!

コロトコフ法はロシアの外科であるコロトコフによって発見されました。

この方法は減圧と加圧の組み合わせで発生する血管音を聞いて血圧を測る方法で、原理は現在でもよく分かっていません。

ですが、この方法での測定では5段階に変化する音を聞き分ける必要があります。
まず、聴診で最初に聞こえる血管音が収縮期血圧で、それがだんだん濁音に変化します。

そして濁音から今度はシャープな清音へ変化し、音が急激に弱まります。
どんどん弱まって最後に音が消滅したポイントが拡張期血圧になります。

ちなみに、収縮期血圧とは血圧計で示される「上」の血圧値で拡張期血圧は「下」の値になります。

まとめ

看護師は血圧を測定することも多く、自ずと色々な血圧計に触れる機会も多いと思います。測定原理や正しい測定法を知って、現場で役に立てていただければ幸いです。

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