血圧計の清拭はマンシェットの消毒が重要

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病院は診察前にほとんどの方が血圧計を利用すると思いますが、毎日使用する医療器具は特に消毒がかかせません。血圧計は本体と、そしてマンシェットの消毒が重要になります。今回は血圧計のマンシェットの消毒についてみていきましょう。

マンシェットとは?

マンシェットとは、血圧計と繋がったゴム袋が入った細長い布の事です。上腕部に巻きつけ、ゴムの袋に空気を送り込んで動脈を圧迫して測定します。

血圧計の消毒、清拭

院内では本体の血圧計とマンシェットの消毒、清拭は感染症予防の為に一層注意をしています。一般的にマンシェットは粘膜と触れない為、器具分類はノンクリティカル器材になります。

ノンクリティカル器材とは健常な皮膚に接触することがあるが、健常でない皮膚や粘膜などに接触しない器具のことであり、感染伝播には通常関与しません。ですから高度な汚染を受けない限り日常的な清拭、洗浄のみで十分であり、とくに消毒の目当てにはならないのです。

ただし接触予防策下においては、それらについても使い捨てもしくは患者さん専用にする事が望ましいですが、数名で共同使用する場合は他の患者さんの使用前に、低水準消毒、あるいは中水準消毒を行います。

なおノンクリティカル器具が血液などで汚れた場合には、良く洗浄した後1000ppm(0.1%)次亜塩素酸ナトリウムか、場合によりアルコールで消毒します。

血圧計の具体的な除菌、消毒方法

ここで一般的な消毒、除菌方法についてお伝えしていきます。基本的な方針としては、其々の利用者ごとに血圧計を準備する事が好ましいですが、用意が困難な場合は利用者ごとに消毒を行います。

本体および加圧ゴム球は必ず本体の電源を切り、製造販売業者が勧める消毒液を浸したガーゼや柔らかい布などをよく絞り本体を軽く拭きます。その後、ぬるま湯または水に浸して絞った布でよく消毒液をふき取り、乾いた柔らかい布で水気をふき取ります。

次に腕帯、ゴム部の内部の空気袋(ゴム嚢)についてお伝えします。腕帯が汚れた時は腕帯の中にあるゴム嚢を取り出して、ゴム嚢の表面を消毒します。消毒方法は、本体および加圧ゴム球の消毒と同じように行います。

次にマンシェットです。中のゴム嚢を取り出した後は、外布だけを消毒します。消毒後はよく乾燥させる事が原則なため、乾燥させるのに時間がかかる素材の物であれば、外布をいくつか用意します。

また消毒により外布の色が変わる可能性があるため、サイズ適合範囲ラインなどが消えかかり、読みにくくなったら新しい外布に交換します。また減菌は、酸化エチレンガスでします。

まとめ

このように血圧計のマンシェットの消毒は使用する消毒液の内容や適度な消毒、除菌が大切です。日々の院内生活もしっかりと感染症対策を実施していきましょう。

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