DNA情報から疾病発見できる?遺伝子検査機器とは?

生体現象測定記録・監視用機器

「DNA」からは様々な情報が伝達されますが、たとえば親子鑑定や犯罪の犯人特定などが例として挙げられます。

他にも疾病発見に用いられるのが「遺伝子検査」で、あまり身近には感じられないかもしれませんが、今後はより身近な検査として利用される可能性もあります。

遺伝子検査の例として挙げられるのが結核にかかっているか調べることですが、具体的にどのようなことを行いのか、遺伝子検査機器についても解説していきます。

遺伝子とは

「遺伝子」とは、人の体をつくる設計図に相当するものといえ、親から子に引き継がれる遺伝情報の担い手である染色体の中にあるDNA(デオキシリボ核酸)上にある、決められた領域に存在します。

たとえば体内に病原菌が侵入した場合、入った病原菌が持つ固有の遺伝子情報を発見することができれば、侵入したことを確定することができます。

結核を例に挙げた場合、喀痰を採取し遺伝子検査を行ったとき、痰の中に結核菌の遺伝子があれば結核であると判断できるという流れです。

スピードが改善された遺伝子検査の方法

結核の検査は、たとえば痰に結核菌が存在するか顕微鏡で調べることもできます。

ただ、仮に結核になっていたとしても、採取した痰に存在する結核菌はわずかです。

そのため結核かどうか調べるなら、痰を材料に培養を行い、結核菌を増やすことが必要になります。

しかし結核菌の増殖スピードは遅いため、顕微鏡で判定することを可能とするまで培養すれば、4~8週間もかかることとなってしまいます。

しかし現在では、遺伝子レベルで菌の検出が可能となり、数時間で判定が可能です。

遺伝子検査の手順は、

①検体から結核菌のDNAを取り出す

②結核菌のDNAのみ大量に合成する

③結核菌のDNAが存在するか、電気や試薬を使って調べる

となり、当初は手作業で行われていたことも検査機器が発展したことで自動化されました。

DNAを増幅する方法

DNAを増幅する方法は、主に次の2つです。

・PCR法

・LAMP法

それぞれ説明していきます。

PCR法

「PCR法」とは、検体からDNAを抽出し、増幅・検出という一般的な方法です。

以前はすべて人手が必要でしたが、検査機器の発展で現在は自動化されています。

LAMP法

「LAMP法」とは、熱を使うのではなく、プライマーと鎖置換合成酵素を使ってDNAの両端にループ構造を作り塩基配列だけ大量に増幅させる方法です。

LAMP法では結核菌などターゲットとなるDNAが大量に合成されるとき、白く濁って見える物質もできるため判断がつきやすいといえます。

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