心電図検査のメカニズムについて

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
心電図検査の判読は、正常所見との差異を「異常」として指摘し、検出した異常所見を考察する作業となってきます。心電図の判読において、医師は手順を守って判読していく習慣づけが重要になってきます。
最初のうちは、正常な心電図波形を見慣れることを目標にしましょう。
どうしても異常所見に関心が向きがちですが、重要なのはその心電図検査の波形が正常でないことに気づき、その所見の意味を考えられるようになることであると言えます。
ここでは、心電図検査の内容と、検査のメカニズムについてみていくことにしましょう。

【心電図検査とはどんな検査なのか】

心電図検査がどんな検査なのか、まずは心臓が拍動する仕組みについて説明していきます。心臓が鼓動する際には、心筋細胞が興奮し、収縮するときにごく微量な電流が発生します。この電気現象を心電計で記録したものが「心電図検査」です。患者さんに苦痛を与えないので、循環器系では一番始めに行われる検査です。

心臓のメカニズムについてですが少し専門的に説明すると、電気的な活動とは
洞房結節→心房筋→房室結節→ヒス束→左右脚→プルキンエ繊維→心室筋
と伝導され、波形として表示されます。
このような波形が機械から印字されて、その波形を判読することにより医師は様々な心疾患を診断するのです。

【心電図検査の目的】

心疾患の存在を示唆する症状(胸の痛み・動悸・労作時の息切れ・あくびなど)がある場合や、次に揚げる診断、または判定などに利用されます。
・不整脈
・心筋梗塞
・狭心症
・ペースメーカー機能
・心室、心房の肥大・負荷
・電解質異常(カリウム・カルシウム)
・薬剤の影響(ジギタリス・抗不整脈剤など)

【心電図検査の受け方】

まず患者さんに上半身は脱衣してもらい、靴下を下げて足首を出してもらいます。次に電極装着部位にペーストを塗布し、四肢にそれぞれ4極、胸部に6極を定められた正しい部位に装着します。胸部吸着電極が付けられない患者さんや乳幼児は、シール貼り付け電極を使用しましょう。心電計のアースを確実に付けて電源を入れ、記録感度は「1mv/cm」、印字用紙送り速度は「25mm/sec」であることを確認。検査を始めるに当たり、患者さんの安静が整ってから記録を取り始めます。

【心電図検査において注意すべきこと】

1.心電図検査前
まず患者さんに尿意の確認をして、排尿を済ませてもらいます。近くに電子機器や電気製品がある場合、交流が混入するので電源は切っておきましょう。皮膚の汚れや汗は基線の揺れの原因になるので、酒精綿や蒸しタオルで拭き電極を取り付けるようにします。

2.心電図検査中
検査中は、患者さんの身体に触れたり、話しかけたりしないようにします。呼吸が深く、胸郭の動きが大きい時は、自然な呼吸をしてもらうようにするか、または息を止めてもらうように促します。
通常、記録する場合は、オート設定で記録しますが、記録中に不整脈が出現した場合、マニュアル設定に切り替え、必要な部分の記録を取るようにします。オート設定で記録する場合は、自動で波高が1/2mvに切り替えられることがありますので、その場合はマニュアルを確認し、必ず1mv/cmの記録を取るようにします。
緊急を要する不整脈やST異常が出現した場合は、直ちに医師に報告をします。

3.心電図検査後
電極のペーストをよく拭き取り、いつでも使用できるように、心電計は充電しておきましょう。

4.その他
記録した心電図波形には必ず、月日・時間・氏名を記入します。患者さんに手術創などがあり、その部位の記録が不可能な場合は、その旨を記録紙に記載しておきます。
モニター心電図は現時点の心拍数、リズム、波形を知ることができますが、異常波形の出現や、胸部の違和感を訴えたときは、直ちに12誘導を記録するようにします。

【まとめ】

どうでしたか?心臓は絶え間なく拍動しており、心電図検査の波形も疾患によって様々な結果を印字します。それを判読する医師にはかなりの高いスキルが要求されてきます。
ここまで簡単に説明してきましたが、人間ドッグなどを受ける際に心電図検査を受ける場合には、これらの事に留意して受けてみるといいでしょう。

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