レーザーメスにも応用される波長変換の仕組みとは?

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【はじめに】

レーザーメスは光の波長を調整することによって治療の応用範囲が変わってきます。

その際行われるのが波長の変換で、この技術について平たく言えば「色」を変換する技術ということもできます。

今回、レーザーメスを使用する際にも重要となってくる波長変換の必要性について考えてみたいと思います。

【波長変換の特徴】

レーザーメスなどにも使用されるレーザーは、特定の波長において極めて帯域の狭い単色の光を発するという特徴があります。

また、レーザーは単色光であることからその確率、効率の良い波長だけが選択できるというメリットもあります。しかし、その一方レーザーの単色性はその応用範囲を限定し、汎用性を狭める原因ともなっています。

その解決法として波長変換によるレーザーのバリエーションを増やす技術の開発を行い、レーザー技術が様々な範囲で応用されるようにすることということができます。

【単色性のほかにもある特徴】

レーザー光は通常、位相面がそろっています。これを簡単に言うとまっすぐに光が進んでいく特徴があるということができます。これはコヒーレント(可干渉性)光として光がまっすぐに進む高指向性が由来となっている特徴です。

また、非線形波長の変換の場合このコヒーレント光としての性質をほとんど失わずに波長変換が実現され、高輝度、高直進性といった、レーザー光の特徴をすべて網羅することになります。

さらにこれらの光源としてのレーザーは小さなスケールの半導体レーザーから建物などの占有に使用される大きなスケールに至るまで様々な分野で応用されています。

【変換光の特性】

波長変換されたレーザー光はコヒーレント光として発生し、変換されたビームは位相分布、ビームの強度、ビームの質等を反映した単色性、直進性の特徴を受け継ぎます。

しかし、波長変換を行うとビーム質や光の安定度が低下し、また非線形光学結晶の損傷なども変換光の特徴を失わせる原因ともなります。

【終わりに】

いかがでしたか?波長変換によって生み出された光源の種類は大きく以下のようなものがあります。

・Nd:YAGレーザー第2高調波
・Nd:YAGレーザー第3高調波
・Nd:YAGレーザー第4高調波
・Nd:YAGレーザー第5高調波
・チタンサファイアレーザー高調波    など

これらのレーザー光の光源は医療用のみならず理化学、産業用としてもすでに応用されており更なる研究・開発が進むことでより広範囲な分野への利用が促進されると考えられています。

ぜひ参考にされてください。

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