ナースコール設備の概要と法定耐用年数

生体現象測定記録・監視用機器

ナースコール設備は、入院のある病院では必ず設置をする必要があり、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの入居施設においても都道府県の法律によってナースコールの設置が義務づけられている場合もあります。
ナースコール設備を製造する主なメーカーはケアコムやアイホン、平和テクノシステムなどかあります。

○ナースコールの構造は?
ナースコールのシステムは主に3種類あります。
1つ目は専用の制御装置を配置して外部接続でビジネスホン(小規模の内線電話装置)やボード型親機、各呼び出しボタンを接続するタイプです。総合病院や規模が大きな介護施設で採用されやすいタイプです。
2つ目はビジネスホン(小規模の内線電話装置)をメインとしてボード型親機や各呼び出しボタンを接続する電話設備を利用したタイプです。コストを抑えることができ、小規模施設に向いています。
3つ目はパソコンとソフトウェアを利用してモニターや呼び出しボタンなどの外部装置に無線接続するタイプです。それぞれが独立しているため、古くなった際の交換やアップデートが容易です。ほとんどが無線通信を利用するため、呼び出しの信頼性がやや劣るため、緊急性の高い病院では不向きかもしれません。

○ナースコール設備の法定耐用年数は?
ナースコール設備は家屋の「電気設備」という扱いであるため、国が定める法定耐用年数というもの特にありません。
しかし、ナースコール設備は24時間稼働しており、当然のことながら故障や劣化する可能性があります。ナースコール設備は基本的に緊急時に利用されるものであり、ある程度の耐用年数を知っておくことで入れ替えの準備をしておくことが出来ます。
ナースコール設備を製造している各メーカーは10年前後を耐用年数と発表しています。ただしこの年数は10年経過したら設備が使えなくという意味ではなく、あくまでも劣化が進んだり故障のリスクが高まるために買い換えを推奨するという年数になります。
各ボタンやPHP端末などの外部接続機器は故障した機器だけ取り替えをすればよいですが、メインの制御装置や主要な配線が故障した場合はすべて取り替えることになります。
また、外部接続機器が故障しても古い機器であれば廃番になっており、取り替えができない場合もあるので注意が必要です。
そのため、10年以上経過しているナースコール設備はこまめな点検と共に、買い換えの予算や新しい設備の計画を立てておくと良いでしょう。

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