電子内視鏡の構造と検査について

診断用機器

はじめに

内視鏡の検査でポピュラーなのが、消化器系の検査です。
検査に使う内視鏡は、直径1㎝、長さが1mほどの細長い管で、端にカメラレンズ(CCD)とライトがついた医療機器です。
この記事では内視鏡による消化器系の検査についてご紹介します。

電子内視鏡の構造について

それではまず電子内視鏡とはどういったものか、その構造と働きについて見ていきましょう。
電子内視鏡システムは、実際に検査を行う部位に挿入する「ビデオスコープ」と、カラーモニター・ビデオシステムセンター・光源装置が組み合わされた「ビデオスコープ本体」の2つから構成されています。

ビデオスコープをさらに詳しく見てみましょう。
ビデオスコープを動かすための「操作部分」、検査部分に挿入する「挿入部分」があり、さらに先端にビデオカメラが付いた「先端部分」、そして本体と接続する「コネクタ部分」があります。
コネクタ部分をビデオモニター本体に接続することで、検査部位を見やすく拡大し確認することができます。

電子内視鏡の主な種類

多くの方は、内視鏡検査というと「胃腸などの消化器系検査」をイメージすると思います。
しかし実は内視鏡にはあらゆる種類があり、臓器の検査に合わせて造られたものや、検査目的に合わせて造られています。
主な種類としては「脳内用スコープ」「耳鼻咽喉科用スコープ」「胸腔鏡(ソラコスコープ)」「気管支用スコープ」「上部消化管汎用スコープ」「腹腔鏡(ラパロスコープ)」「十二指腸スコープ」「膵管鏡」「胆道鏡」「小腸内視鏡」「大腸用スコープ」「直腸鏡」などがあります。

細径内視鏡と鼻からの内視鏡検査について

内視鏡による検査は、口や鼻から挿入し、テレビモニターを通して内部を観察する方法があります。
ここでは鼻からの内視鏡検査を見ていきたいと思います。
細いチューブのような形の内視鏡には、お腹の内部を撮影するためのレンズをはじめ撮像素子や明るく照らすためのライトが搭載され、より鮮明に観察ができるようになっています。
さらに患部の粘液や血液の吸引や組織の採取に必要な道具、組織の切除やポリープなどの除去に使われる器具を出すための管路、水や空気を臓器内部に送り出すための管路が備わっています。
そんな数々の重要な機能が備わった内視鏡ですが、患者さんのストレスを抑えて、検査をスムーズに行えるようにチューブの直径はわずか5~6㎜になっています。
この技術によって、これまで行われてきた口からの内視鏡検査に加え、鼻からの内視鏡検査も可能となりました。

内視鏡による消化器系の検査

ではここで、多くの方が受ける機会があるであろう「上部消化管内視鏡検査」を見ていきましょう。

食道から胃そして十二指腸が検査対象となり、口(経口挿入)や鼻(経鼻挿入)から内視鏡を通して検査を行います。
この検査では、食道から十二指腸まで合わせて行われることが多いようです。
かなり微小な病変や識別が困難な病変については、内視鏡の先端から色素を散布し、検査部位を目立たせる方法を用います。内視鏡による検査は、部位の画像を直接確認できるので、判別の難しい病変の発見に有効です。

まとめ

病気の早期発見や早期治療を実現するために、電子内視鏡は多くの医療機関で用いられています。
そして医療関係者やメーカー側では、患者さんの検査時のストレスを軽減し、より精密な検査や高度な治療を行うために、さらなる技術の進展が期待されます。

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