mri検査の利点・欠点を解説

診断用機器

mri検査(Magnetic Resonanece Imaging:磁気共鳴画像診断装置)は強力な磁力と電波を発する筒状の機器(ガントリ)内に入り、体内のスライス画像や血管の画像を撮影して病変の早期発見や診断の材料として役立てることができます。
画像診断検査にはmri検査の他にct検査、単純レントゲン検査、超音波検査(エコー)などがあります。
mri検査はすべての病態に対応できる万能検査ではなく、他の画像診断検査や血液検査、問診などの所見をふまえて確定診断に繋げていきます。ではmri検査ではどのような利点・欠点があるのでしょうか?

○mriの利点
①放射線による被曝がない
②脳梗塞に対して感度が高い
③組織のコントラストが優れている
④任意の断層方向で撮影することが可能
⑤脳幹部の表出に優れる
⑥造影剤を使用しなくても血管の異常を診断することが可能
⑦検査中に骨のアーチファクトの影響を受けにくい(脳底などの骨に囲まれた部位の評価に優れている)
⑧靭帯な軟骨などct検査では表出が難しい運動器の評価をすることが可能(椎間板ヘルニア、半月板損傷など)
⑨拡散強調画像(拡散係数が低い水分を検出する手法)では脳梗塞の超急性期での病変表出に有効
⑩フレアー法によって脳脊髄液に接する病態を評価することができる

○mriの欠点
①骨の病変表出が困難
②ct検査に比べて検査時間が長い(肺や腹部を撮影する場合には長い時間の息止めが必要)
③ペースメーカー植え込み術を施行されている方は検査を受けることができない場合がある。(最新の装置では検査可能な場合もある)
④人工内耳の方は検査をすることができない(禁忌)
⑤入墨やカラーコンタクト、マスカラやアイシャドーなど金属の成分を含んでいる化粧品を使用されている方は熱傷の危険がある
⑥検査中の音が大きい(ヘッドホンや耳栓を装着)
⑦mri装置が非常に高価であり、配置するには特定の病院に限られる
⑧ガドリニウム造影剤によって副作用が生じる場合がある
⑨検査中に身体を動かすとうまく撮影することができない(子供や認知症の方などの検査が困難)
⑩閉所恐怖症の方は検査を行うことが困難(最近ではオープン型mriも普及しており欠点が解消されつつある)
⑪磁力による影響があるため、検査室に持ち込む医療機器(酸素ボンベや生体モニターなど)には注意が必要
⑫妊娠中な妊娠の可能性がある方には何らかの影響を与える可能性があるとも言われている

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