24時間血圧計の特徴とメリットとは?

診断用機器

血圧は身体の状態を把握するためのバイタルサインとして重要であるとともに、脳血管疾患や心疾患のリスクを判断するためにも重要なし指標となります。血圧が高いほど重篤な疾患を発症するリスクが高くなるという結果は実証されており、日常の血圧管理はさまざまな病気の予防法として定着していることは言うまでもないでしょう。

○24時間で変化する血圧

当たり前ですが、血圧は24時間の中で一定の値を示すことはありません。一般的に血圧は朝に起床してから上昇を始め、日中では高い状態で推移します。夜になるにつれて徐々に下降していき、睡眠中は低い値で推移します。血圧の変動には自律神経が大きく関与しており、交感神経と副交感神経のバランスで血圧の変動が起こります。
ただし、すべての人がこのサイクルに当てはまるわけではなく早朝に血圧が最も高くなったり、睡眠中でも血圧が高いなどの個人差があります。

・早朝高血圧型
早朝に血圧が急激に上昇するタイプです。早朝に脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクが高いタイプです。

・夜間高血圧型
睡眠中に血圧が上昇するタイプです。睡眠時無呼吸症候群や睡眠前に水分摂取をしていない方などに多いタイプです。

・ストレス高血圧型
ストレスを感じる場面で血圧が上昇するタイプです。結婚式のスピーチなど大勢の人の前で話をしている最中に脳卒中や心筋梗塞で倒れてしまうという場面ではこのタイプです。仕事中や会議、病院の診察などの場面も該当します。

上記以外にも血圧の変動には個人によってさまざまなパターンがあります。家庭や医療機関での血圧測定はとても重要ですが、1日に1回程度測定するだけではどの時間帯に血圧が高いのかを把握することは困難でしょう。たとえそのときの血圧は正常であっても測定をしていない時間帯が高血圧を呈しているという事例は少なくないのです。

○24時間血圧計とは?

24時間の血圧変化をモニタリングする方法として、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)という方法があります。ABPM装置は腕に巻くマンシェット(カフ)と測定装置で構成されます。測定装置は腰に装着するタイプが多いようです。ABPM装置には測定間隔・測定時
間(24~48時間)・測定開始時間などを設定できるようになっており、医師の指示によってあらかじめ設定されています。

ABPMは早朝高血圧や夜間高血圧の検出、どの場面で血圧の変動があるのかなど通常の血圧測定では知ることが困難であった情報を得ることができます。ABPMの検査結果をもとに適切な降圧剤の使用や生活指導を行うことが可能です。

ピックアップ記事

関連記事一覧