医療従事者に必要不可欠な聴診器とは?使用によりわかることやメリットを解説
病院に行くと、首から聴診器を下げているドクターを目にすることが多々ありますが、医療従事者にとって必要不可欠なアイテムといえます。
まさに医師のトレードマークともいえる聴診器ですが、そもそも診察などに用いることで何を確認できるのでしょう。
そこで、医療従事者に必要不可欠ともいえる聴診器について、使用することでわかることやメリットを解説していきます。
聴診器とは
「聴診器」とはステートと呼ばれることもある一般医療機器で、診察や健康診断の検診の際に用いられる道具です。
人の身体の一部に触れ、チューブから伝わる伝導音を聴いて状態を確認します。
聴診器の仕組み
聴診器は、まず皮膚に直接触れるチェストピースに備わっているダイアフラム(振動板)から内部の音を拾い、その音がゴムのチューブを伝わって聞こえる仕組みです。
聴診器でわかること
たとえば胸の聴診において聴診器を使った場合、次の2つを拾うことになります。
・心音
・呼吸音
心音
心音のリズムが乱れていると、不整脈の存在など疑わせることになります。
心臓には4つの弁があり、弁が開閉するときには音が出ますが、これが心音です。
仮に弁に異常がある場合には、強く心音が聞こえたり弱くなったりします。
心臓や血管には血液が流れますが、流れに滞りや逆流があれば雑音も聞こえることになり、心臓の筋肉に異常があれば過剰な心音などを発生させます。
そのため心音を聴診することで、心臓弁膜症・先天性心疾患・心不全などを発見することができます。
呼吸音
呼吸音は、肺が空気を吸ったり吐いたりする際に聞こえる音で、たとえば気胸などにより肺に空気がうまく吸い込めないときには呼吸音が弱くなります。
また、肺炎や肺水腫などで肺に異物が溜まった状態のときには雑音が聞こえます。
聴診器を使うメリット
聴診器を使うことはスクリーニングの手段にできるといったメリットがあります。
ただし確定診断に至らず、診断を確定させるときにはさらに検査することが必要になるといえます。
確定診断はできない聴診器ですが、使用する最大のメリットは、持ち運びしやすいことといえるでしょう。
電気を使う必要もないため、たとえば離島や山中など医療機関がない場所でも医師がいれば使用し、病気のリスクなどを確認した上で医療機関へはやく移送するべきかなど判断することが可能となります。