心電図と不応期について

診断用機器

はじめに

私たちの心臓はすべてが筋肉でできた臓器です。
心臓は左右にある心房や心室がリズミカルに強調しあい、興奮や収縮を繰り返して全身に新鮮な血液がいきわたります。そのために刺激伝導系といわれる仕組みが存在します。
心筋が微妙な電流によって興奮・収縮をする時間がしばらく続いたあとに「不応期」と呼ばれる休息の時間に入ります。
一方心電図は、そんな心臓の状態を電気信号によって把握・記録する装置で、現在の心臓の状態をいち早く知ることができる医療機器です。
そこでこの記事では、心臓の不応期のことや心電図のこと、不整脈についてもふれていきたいと思います。

不応期とは

それではまず、心筋細胞の不応期についてご紹介します。
心臓の動きは、心筋細胞の興奮(活動電位)が、一つの心筋細胞から次の細胞へと次々に伝えられていくことで実現されています。
この心筋細胞における活動電位は、細胞の内側と外側でイオンが行き来することによって起こるのですが、刺激が与えられても、活動電位が起こりにくくなる時期があります。
これを不応期と呼ぶのです。
不応期は、絶対不応期が先にやってきて、その後に相対不応期へと移行していきます。
前者の絶対不応期は、どんなに強い刺激が与えられても活動電位が発生しない時期であり、後者の相対不応期は比較的強めの刺激が与えられた時には活動電位が発生する時期です。
心電図上では、T波と呼ばれる波形の頂上付近が、絶対不応期から相対不応期へ移行する時期にあたります。
このT波の頂上付近で強い刺激が与えられると、過剰な興奮が起こりやすくなり、危険な不整脈となってしまう可能性があります。

不整脈とは?

前項で不応期についてご説明しましたが、それに関連した不整脈についても見ていきたいと思います。
心臓は、拍動といわれるリズミカルな動きによって新鮮な血液を体全体に送り届けます。成人した人の1分間の拍動数はおよそ70回となり、そのときに心臓から送り出される血液は、およそ5リットルといわれています。心臓が規則正しく拍動することで、これだけたくさんの血液が送り出されるわけですね。
しかしこの拍動に乱れが生じることで不整脈が生じることになります。

心電図による検査について

では続いて、心臓の現在の状態を知るための、基本的な医療機器「心電図」について、さらに見ていきたいと思います。
全体が筋肉でできた心臓にごく微量な電気が流れ、それによって興奮し拍動が起こります。こうした電気的な活動状態を測定し記録するのが心電図です。
その測定方法は、胸部と両手首両足首に複数の電極を装着し行われます。特に痛みや違和感はなく、短時間で測定・記録ができます。

心電図検査で何がわかるか?

心電図では、まず心臓の拍動がどのような状況であるかを見るため、拍動が乱れてしまう不整脈の検査に最適です。また狭心症や心筋梗塞の場合にも心筋の電気的な異常が出ますので、心電図でも確認することが可能です。さらに心臓になんらかの障害がある場合も、やはり心電図で確認することができます。

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