レーザーメスの特徴とメリット

治療用機器

はじめに

医療の現場において、手術器具の進歩は目まぐるしく変わってきています。手術で使われる頻度が多いメスですが、現在はレーザーメスを使う機会が多くなってきています。今回はレーザーメスの特徴について見ていきましょう。

レーザーメスの歴史

レーザーが開発されたのは、1960年アメリカのタウンズと言われています。医療用に応用されたのは翌年の1961年のことで、レーザーが世界で初めてアメリカの眼科で使用されました。その際、外科手術に利用され、「ルビーレーザー光」を用いて光凝固法で網膜手術が行われました。

現在ではレーザーに用いられるのは、
主に「炭酸ガスレーザー」と「NdーYAレーザー」ですが、さまざまな外科手術で広く用いられているのが「炭酸ガスレーザー」です。

レーザーメスとはどのようなもの?

レーザ―メスとはレーザーの熱を利用して、手術の際に体内にある腫瘍を焼いたり蒸散(気化させ消失させること)をすることです。

レーザーメスを用いる「蒸散」

「蒸散」とはレーザーメスで、患部組織や組織表層に高熱の1500℃近い「炭酸ガスレーザー」でエネルギーを照射することで、組織中の水分や血液などを瞬時に気化させて蒸発させることを言います。

「蒸散」することにより、腫瘍全体を最小で約0.05mmの単位の細部まで切除することが最大の利点と言えるでしょう。

レーザーメスの特徴

【特徴1】 レーザー熱で血管が固まり短時間の出血が少なくなる。

【特徴2】 出血量が少ないため輸血量が少なくなる。

【特徴3】 体内の中でも複雑で出血しやすいと言われている肝臓や脳またその他手術中縫合や圧迫が難しい臓器や組織を手術する時に効果を発揮する。

【特徴4】 直接器具を体に触れないで切開などができるので、感染症のリスクが少な い。

【特徴5】 手術中、止血をする手間が省けて時間を短縮することができる。

【特徴6】 切開部の縫合が少ないため、手術後の痛みの軽減につながる。

レーザーメスは、精密な場所の切開や止血、高速切開、蒸散、広範囲な止血が可能であり、手術中の出血も少ないです。また、術後の腫れや痛みも少ないことが、金属用メスと比べてメリットと言えるでしょう。

まとめ

レーザーメスの特徴及び利点は、何と言ってもレーザーを使用することで高熱で切開をおこなうので患部組織の出血が少なくなるころです。従来の金属メスと比較しても取り扱いやすく、手術時間も短縮できることが最大のメリットです。

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