輸液ポンプの目的とは?外し方や使用における注意点を解説

治療用機器

輸液ポンプは、化学療法・中心静脈栄養・輸液など24時間に渡り均等投与したいときや、指示された速度で正確に投与することが必要なときに用いられます。

薬や輸液などを正確に投与することが目的ですが、便利な医療機器ではある一方で、取り扱いを間違ってしまうと思わぬ速度で薬剤が入り医療事故につながるリスクを高めます。

毎年定期点検を行って適宜新しいものへ交換することなども求められる輸液ポンプですが、外し方や使用における注意点について解説していきます。

 

輸液ポンプとは

輸液ポンプとは、設定した時間あたりの流量により、輸液や薬剤投与を持続的にコントロールできる医療機器です。

機器にセットした輸液セットのチューブを複数のフィンガーが押圧することにより薬液を送り出す仕組みになっており、フィンガー部分が動くことによって薬液が下へと送り出されています。

主に投与量を正確に管理することが必要になる方や、心不全の方、高齢者や小児などで使用されますが、流量制御型と滴下数制御型の2種類があります。

流量制御型の場合、流量が一定になるようにポンプ速度が制御されるため、専用の輸液セットを使うことが必要です。

滴下数制御型では点滴プローブで滴下数を監視し、投与量をコントロールします。

 

輸液セットの外し方

流量制御型と滴下数制御型のどちらの輸液ポンプでも、長時間チューブを同一部位で使い続ければ圧迫されたチューブが摩耗します。

流量の減少や気泡または閉塞アラームが鳴る原因になりかねないため、1日1回はチューブのセット部位を変えることが望ましいといえるでしょう。

輸液ポンプから輸液セットを外すときには、必ずクレンメを閉じるようにしてください。

 

輸液ポンプのアラームが鳴った場合

輸液ポンプのバッテリーは、設定された流量や状態によって異なるものの、最長でも2時間程度です。

もしも輸液ポンプのアラームが鳴った場合には、輸液ルート内に気泡が混入していると考えられます。

そのためエアを取り除くことが必要ですが、この場合には患者側のルートをクランプしましょう。

点滴筒の近くにエアがあるときには、チューブを真っ直ぐに引いて指ではじくように空気を点滴筒へと送り込みます。

三方活栓や側注ポートなどの近くにエアがある場合には、シリンジを用いて吸引してください。

 

輸液ポンプの注意点

輸液ポンプは、使用方法を間違えてしまうと体内に輸液が急速に入ってしまい、循環動態を変えてしまう可能性もあります。

血管外漏出があってもポンプは点滴漏れを感知できないため、輸液がそのまま押し出されてしまったことによる皮膚障害が発生する場合もあります。

そのため定期的に観察しながら行うことが必要です。

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