レーザーメスの特徴

治療用機器

【はじめに】
レーザーメスは、外科手術に使用される医療機器(装置)です。手術の際は、レーザーメスによって患部組織の切開を行うことができ、同時に患部の血管が熱によって凝固するため、瞬時に出血が止まり無血手術が可能となります。患者さんにとっては痛みも少なく出血もないので、肉体的、精神的な負担が少ない、人に優しいメスといえます。
今回は、このレーザーメスの特徴についてご紹介したいと思います。

【レーザーメスの歴史背景】

レーザー技術は、1960年にエネルギーを増幅して利用する研究が進められる中、ルビーに光を当て増幅させることに成功したのが始まりとされています。そして1963年、世界ではじめてレーザーメスを使った外科手術が行われました。レーザーメスは、普段のわたしたちの生活ではなかなかみることはありませんが、医療技術の進歩により開発された、痛みなく止血しながら手術を行うことができる画期的な医療機器として、広く用いられています。

【レーザーメスの特徴】

レーザーとは、光を増幅させて放射する特殊な装置のことをいいます。
またレーザーには、自然光とはまったく異なる3つの性質があります。
1つ目は「単一の波長である点」
2つ目は「光の進む方向が一つである点」
3つ目は「位相が一致している点」です。

レーザーメスの種類は、外部からエネルギーを受けたとき特定の波長だけを出す「媒質」で分類されます。
1つ目はガス(気体)レーザーの一種で「炭酸ガスレーザー」
2つ目は固体レーザーの一種「Nd:YAGレーザー」
3つ目は「半導体レーザー」があり、この3つが臨床で使用されています。

【レーザーメスの治療的効果】

医療現場、特に外科手術において実用されつつあるレーザーメスは、たとえば胃からの出血に対して、ファイバースコープを通してレーザーメスで患部に光を照射し止血するという施術も行われています。また皮膚のあざの治療に対しては、ルビーレーザー光などのパルスレーザーを瞬間的に当てて吹き飛ばしたり、虫歯にレーザー光を当てて溶解し治療していくことも行われています。

【まとめ】

医療の現場で使われるメスには他に熱エネルギーを利用する電気メスがありますが、高周波電流を用いることから、周辺組織の温度が上昇し火傷の可能性も高くなります。
しかし、装置が安価で消耗品もそれほど使用しないことから、術式によって電気メスとレーザーメスを使い分ける傾向にあるようです。
外科手術や美容外科、皮膚科や眼科、歯科や獣医科など、さまざまな医療の現場で用いられているレーザーメスは、これからの医療技術の向上に伴い、さらに目覚ましく発展して行くことを期待します。

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