血中の酸素濃度を計測する「パルオキシメーター」

生体現象測定記録・監視用機器

パルオキシメーターは、指先などに光をあて、皮膚を通して動脈血のSpO2(機能的酸素飽和度)を測定する医療機器です。

一部のドラッグストア・薬局・家電量販店でも取り扱いがあり、一般家庭用に手に入れることができますが、新型コロナウイルス感染症が流行したことで知られるようになった医療機器ともいえます。

そこで、血中の酸素濃度を計測するパルオキシメーターとはどのような医療機器なのか紹介していきます。

パルスオキシメーターとは

「パルスオキシメーター」とは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する医療機器であり、赤い光が発する装置を指に挟んで測定します。

人の身体は、肺から取り込まれた酸素が赤血球のヘモグロビンと結合し、全身に運ばれます。

酸素飽和度(SpO2)とは、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に、酸素が結合しているか調べた数値です。

指に挟む装置の受光部センサーが、拍動する動脈血流を検知して、光の吸収値から酸素飽和度(SpO2)を計算する仕組みになっています。

パルオキシメーターでわかること

パルオキシメーターを使うと、酸素を体内へ取り込む力が低下していないか確認できます。

酸素飽和度(SpO2)は、たとえば心臓や肺の疾患などで酸素を体内に取り込む力が落ちていれば、数値が低下します。

そのため病院など医療機関や在宅治療中の患者、睡眠時無呼吸症候群の簡易診断などでは測定が必要となります。

病状の重症度を判断する上で有効となり、急性呼吸不全リスクのある慢性疾患患者に対する日常管理や、医療機関で患者の病状判断に重要な医療機器といえるでしょう。

高齢者や基礎疾患のある方の場合、新型コロナウイルス感染による肺炎重症化リスクが高いと言われていたため、多く利用されるようになりました。

標準とされる数値

パルオキシメーターの標準値は、一般的に96~99%です。

93%以下になると、酸素投与が必要と判断され、90%未満になると低酸素血症と考えられ大変危険な状態といえます。

数値が90%未満の場合、十分な酸素を全身の臓器へと送ることができない呼吸不全の状態であるため、医療機関では適切な対処が必要になります。

特に慢性的に心臓や肺の疾患を抱えている患者などは、数値が低下することで息苦しさや喘鳴などの症状が強くなります。

そのため数値が普段の値から3~4%低下したときには、すみやかにかかりつけ医を受診することが求められます。

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