医師として働くための資格試験である医師国家試験とは?

生体現象測定記録・監視用機器

医師として働くためには医師免許の資格が必要ですが、単に医学部を卒業するだけでは取得できません。

医師国家試験に合格し、厚生大臣から医師として免許を受けていることが必要となります。

医師だけでなく、歯科医師・保健師・看護師・助産師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師などの医療従事者は、それぞれ免許制度と国家試験が設けられていますが、この中で医師として働くための資格試験である医師国家試験について解説していきます。

 

医師国家試験とは

医師国家試験とは、医師になるために必要とされる医師法の定める試験です。

受験資格は6年制医学部医学科を卒業(または卒業見込み)の者や、外国の医学校を卒業後に厚生労働大臣が適当と認めた者、医師国家試験予備試験に合格して1年以上臨床研修した者などとされています。

医師国家試験は、科目ごとに受験するのではなく、解剖学・生理学など基礎医学や、内科学・外科学など臨床医学、衛生学・疫学など社会医学などを混ぜ合せた総合問題形式になっており、AからIのブロックまでを3日間に渡り受験することになります。

 

医師国家試験の合格率

2023年3月16日に厚生労働省が公表した第117回医師国家試験の合格者は、過去10年で3番目の高さだったようです。

新卒・既卒を合わせた合格率は91.6%で、新卒94.9%、既卒55.2%という結果でした。

 

合格率が高い背景

医師国家試験を受けるためには大学の医学部に6年間通うことが必要となり、卒業見込みの6年生で医師国家試験を受けます。

そのため仮に医師国家試験に合格していた場合でも、医学部を卒業できなければ合格は失効してしまいます。

大学の医学部では、医師国家試験合格率を宣伝文句のようにアピールすることがありますが、数値が高いほど入学者を増やせることになります。

これは、国家試験に受かることができない学生は卒業させず、医師国家試験も受験させないことが背景にあるとも考えられます。

そのため医師国家試験を受験している学生は、すでに大学側が合格の可能性が高いと見込んだ学生ともいえるため、その集団であるからこそ合格率も高いといえます。

なお、医師国家試験の合格した後は、厚生労働省に医師免許申請用書類を提出し、医籍登録された後で医籍番号を発行してもらうことで医師として働くことができます。

 

医師免許で診療できる科目

医師免許があれば、歯科と麻酔科以外の科目は標榜可能とされます。

病院やクリニックを開業するときには標榜科名を決めることが必要ですが、標榜科名とは医院の得意分野のことを意味します。

ただ、医療分野も競争が激化しているといえるため、いろいろな科目を標榜するよりは、専門化しエキスパートとなったほうが生き残りやすいとも考えられるでしょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧