償却資産の知識。ナースコール設備は該当する?

生体現象測定記録・監視用機器

「償却資産」という言葉を知っていますか?経理を扱う業務をされたことのある方はご存知だと思いますが、開業されたばかりの個人病院の方や医療機器を扱う業者の方は、言葉を知っていても具体的な内容までは理解されていないのではないでしょうか?
償却資産に関する制度はたびたび改正が行われているため、専門家でも完全に理解することは難しいとされています。

○償却資産をわかりやすく解説!
償却資産を理解するために、「償却」と「資産」を分けて解説します。

まず、償却とは、
“借金などをすっかり返すこと。償還。「借用金を償却する」”【デジタル大辞泉】
という意味です。

そして「資産」とは、
“個人または法人の所有する金銭・土地・建物などの総称。財産。”【デジタル大辞泉】
という意味です。
では償却資産とは何かというと、「土地や建物以外の消耗品」と言い換えることが出来ます。この償却資産をなぜ理解しておかないといけないのかと言うと、償却資産税という税金が掛かるからです。

○医療機器の償却資産あれこれ
医療機器で償却資産に該当するものはレントゲン装置、手術機器、歯科診療ユニット、ファイバースコープなどです。以下のリンク先から償却資産の具体例、償却資産の申告から課税までの流れを確認できます。
リンク先:固定資産税【償却資産】について(東京都主税局)

○償却資産の法定耐用年数
これらの償却資産は減価償却の規定に基づいて、その資産価値の減少を加味した値段を耐用年数まで費用として計上していきます。そのため、償却資産に該当する機器の法定耐用年数も確認を知っておく必要があるのです。
以下のリンク先から医療機器の法定耐用年数を確認できますが、最新機器などのよく分からない医療機器に関しては地方自治体(東京都の場合は都税事務所)に問い合わせをしましょう。
リンク先:国税庁ホームページ

○ナースコール設備設備は償却資産に該当する?
医療機器の償却資産について、該当するのか判断が難しい機器が「ナースコール設備」でしょう。
実はナースコール設備は償却資産には該当しないのです。なぜかというと、ナースコール設備は「家屋」の区分に含まれるため、償却資産には当てはまりません。
参考:償却資産と家屋の区分表(東京都主税局)(PDFファイル)

ここで注意しておきたいのがナースコール設備は償却資産に該当しないのですが、インターネット環境であるLAN設備の一式(LANボードサーバー、HUB・ルーター、LANケーブル)は償却資産に該当するため、LAN設備を利用したナースコールは資産償却に該当する可能性があります。
もちろん機種によっても異なるため、導入前にメーカーへ問い合わせをしておいた方がよいでしょう。

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