血圧計のしくみ、原理って?

生体現象測定記録・監視用機器

私達が健康診断など病院でよくお世話になる血圧計。中にはご自宅にあってご家族が使っている方もいるでしょう。また最近では小型化し、腕時計型、スマートウォッチに内蔵されているなんてものもありますね。
ところで血圧計とはどのようなしくみで測るようになっているのでしょうか。今回はそのことについて説明したいと思います。

【血圧計の開発】

17世紀、1628年にイギリスのハーベーは血液循環の原理を発表しました。
18世紀、イギリスのヘイルズは木の樹液が地上から高く離れた枝先の隅々にまでいきわたる現象から着想を得て、馬の動脈に直立したガラス管をつなげ血液の上昇の様子を測定しました。それから水銀での測定する機器を開発し、それを血液に見立てて開発を勧めました。

さらに19世紀になり1896年、イタリアのリバロッチは血液を圧迫するカフ、圧迫の空気を送るゴム球や水銀圧力計を開発し、これが現在の血圧計の原型となりました。
そして20世紀の1905年、ロシアのコロトコフは圧迫された血液と圧力を下げていくときの血液の音を聴診器で聞き、その音から最高血圧と最低血圧を測る血圧測定理論を発表しました。これをリバロッチ・コロトコフ法といいます。
このコロトコフ音を使った水銀血圧計が現在まで使われている血圧計のもととなりました。

【リバロッチ・コロトコフ法とオシロメトリック法】

腕に巻いたカフに空気を送り血管を圧迫し、それから圧力を下げていくとき血液の圧力はカフの圧力を上回ります。それからは心臓の動きに合わせた血液の流れに戻っていきます。
圧力を下げていくとき心臓壁の振動をカフ圧の変化から血圧の値を測ります。これをオシロメトリック法といいます。
家庭で使われる電子血圧計はこのオシロメトリック法を利用しています。
一方、病院や訪問介護などで看護師らが測定する聴診器を使った血圧測定はリバロッチ・コロトコフ法になります。

【血圧測定の仕方】

リバロッチ・コロトコフ法とオシロメトリック法はいずれも心臓や血液が自然に動く状態で測ることが大切です。

・測定する場所…気温が安定した、暑すぎず寒すぎず適温であること。冬など寒いと血圧は上昇します。
・測定する人…測定前、5~10分は安静にしておきます。血圧計をテーブルなどに置き、カフを使用する場合は心臓の高さにします。できれば背もたれのあるゆったりした椅子に座りますが、測定時は背筋を伸ばして毎回同じ姿勢で測定をするようにしましょう。
毎日自宅でなど、連続した測定記録が必要な場合は、時間も決まった時間にする方が好ましいです。

【まとめ】

血圧計のしくみはおわかりいただけたでしょうか。
最近では血圧とともに脈拍、体温、体重などを総合的に毎日診断して健康管理をしてくれる機器も登場しています。血圧は私達の毎日の健康を維持するために重要なものです。
ご自宅に血圧計があれば、ぜひ正しく測定し健康の維持に活用しましょう。

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