耳鼻科で使われるファイバースコープについて

診断用機器

診察する時に見たり触ったりするだけでは状態がわからないことがあり、その時にファイバースコープを使うと思います。今回はそのファイバースコープについて説明していきます。

ファイバースコープとは

ファイバースコープは病院にある医療機器で、見て触るだけでは状態がわからない時に使います。細い管のようなものがあり、その太さは3mmから4mmで、鼻や喉、耳などに入れて状態を観察します。

とても細いので、患者さんが痛みや不快さをなるべく感じさせないようにすることができます。耳鼻咽喉科の場合で使用されるファイバースコープは柔らかいものを使い、先述した通り鼻や喉、耳に入れて状態を診ます。

まっすぐで硬いファイバースコープを使う場合もあり、その場合は鼻の手術や採取をする時に使用します。

ファイバースコープの生い立ち

ファイバースコープが最初に開発されたのは1960年代です。医療機器にレンズをつけることにより患部を直接的に診ることができるようになりました。

その後、カメラがついているファイバースコープも開発され、1975年からは耳や喉以外、主に腸や胆道、食道などといった様々な箇所にも使えるようになりました。

胃カメラのサイズが大きかった頃は苦しかったという患者もいましたが、今ではとても細くなっているので、以前よりは苦しくないまま診察できます。また、技術の発達により、さらに鮮明に細かく患部を診られるようにもなっています。

ファイバースコープの種類

耳鼻咽喉科で使われるファイバースコープには大きく分けて2つの種類があります。

1つは喉頭・下喉頭ファイバーです。こちらは、舌根部から上咽頭、中咽頭、下咽頭の範囲で使われるファイバーです。

声が掠れる症状の場合や喉の奥に違和感がある場合は、こちらのファイバーで声帯を観察して炎症やポリープ、腫瘍の有無、そして声帯が萎縮していないかどうかを確認します。

ちなみに、例えば魚の骨が引っかかったり刺さったりしてしまって取れない場合でも、こちらのファイバーを使って確認や除去を行うことができます。

もう1つは鼻咽腔ファイバーです。こちらは、鼻腔から喉頭、上喉頭までの範囲で使われるファイバーです。

副鼻腔炎の診察時に使われることが多いです。風邪や花粉症の治療の際に炎症の状態を確認します。また、鼻茸の除去を行うこともできます。

まとめ

ファイバースコープは、外からは分からないような場所でも確認することを可能にしてくれる、今や欠かすことのできない医療機器です。衛生管理を厳格に行いきれいな状態で使うようにしましょう。

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